研究課題/領域番号 |
19K07829
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
石井 聖二 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (50468493)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 大脳皮質 / 一次繊毛 / 環境ストレス / アルコール / 麻酔薬 / 細胞外小胞 / 樹状突起 / アルコール曝露 / 環境ストレ ス |
研究開始時の研究の概要 |
一次繊毛は、マウス大脳皮質の神経細胞において、胎生期にはまだ殆ど存在せず、出生後、ストレス耐性の臨界期が終了する頃までに成熟することが知られている。これまでの結果から、臨界期後に、一次繊毛の出現に依存して誘導されるストレス応答シグナルとしてIGF1-Akt経路が考えられ、この経路の活性化が、神経細胞が環境ストレスに対する抵抗性を獲得する一因となっている可能性が考えられる。そこで、環境ストレス下での一次繊毛を介したIGF1-Aktシグナル活性化の解析を行い、ストレス応答に対する臨界期の概念、及びその動的変化を制御する分子基盤を確立することを本研究の目的とする。
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研究成果の概要 |
マウスの大脳皮質神経細胞には、出生直後に、環境ストレスに対して脆弱となる「臨界期」が存在することが示唆されている。一方、一次繊毛は、マウス大脳皮質の神経細胞において、胎生期にはまだ殆ど存在せず、出生後、ストレス耐性の臨界期が終了する頃までに成熟することが知られている。そこで、臨界期中に環境ストレスを与えた一次繊毛欠損マウスの大脳皮質の第5層神経細胞を調べたところ、斑点状の活性型カスパーゼ3が、特に大脳皮質の第5層の神経細胞に多数検出されることを見出した。さらに、IGF-1受容体が大脳皮質の神経細胞の一次繊毛膜上に集積し、PI3K/Aktシグナル伝達経路が活性化されていることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
一次繊毛の形成、機能異常に起因すると考えられている遺伝性疾患は総称して繊毛病(シリオパチー)と呼ばれ、網膜色素変性症、嚢胞腎、多指症、水頭症、不妊、肥満など、多岐にわたる症状を呈することが知られている。本研究において「環境ストレスに対する一次繊毛を介した臨界期中枢神経系の防御機構」の分子基盤を明らかにする事で、一次繊毛を介した環境ストレス応答機構という新たな概念を提唱することができ、一次繊毛に対する理解が深まるものと期待される。本研究において得られた知見は、今後、多岐にわたる繊毛病の発症メカニズムの理解や新たな治療法への応用に貢献できるものと考えられる。
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