研究課題/領域番号 |
19K07830
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
井下 強 順天堂大学, 大学院医学研究科, 特任助教 (20601206)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | パーキンソン病 / 神経科学 / 小胞輸送 / LRRK2 / αシヌクレイン |
研究開始時の研究の概要 |
神経変性疾患の一つパーキンソン病(PD)では、α-シヌクレイン(α-Syn)の蓄積や神経間の伝播が、神経変性や病状進行に関わる。そのため、α-Synの蓄積・伝播の分子機序におけるPD関連遺伝子の機能解明が求められている。我々のグループは、複数のPD関連遺伝子の機能欠失がシナプス小胞動態制御分子Arl8の神経終末での蓄積を生じることを確認し、さらに、α-Synと共局在することを明らかにしている。本研究では、PD関連遺伝子によるArl8の動態制御機構とα-シヌクレイン蓄積・伝播機構を解明し、Arl8やα-Synの動態制御における、より中心的なPD関連遺伝子を同定し、的確な治療標的の特定を目指す。
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研究成果の概要 |
神経変性疾患パーキンソン病の発症機序解明のため、原因遺伝子間の相関解明を試み、LRRK2遺伝子が、他の原因遺伝子と相関することを特定した。また、LRRK2を含む複数の原因遺伝子の機能欠失が、酸性オルガネラに局在し、神経伝達物質を含む有芯小胞にも局在するsmall GTPase, Arl8の神経細胞での局在異常を引き起こすことを明らかにした。Arl8のシナプス終末での集積が、有芯小胞の順行輸送の過剰な亢進によるものであり、Rab3, unc-104の関与を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究結果は、細胞内のオルガネラ動態制御に関わるPD関連遺伝子の相関関係を明らかにし、より中心的な役割を持つ遺伝子としてLRRK2を特定した。さらに、他のPD関連遺伝子の機能欠失単独でも起きるArl8の動態異常に関わる分子機構として、unc-104を介した有芯小胞の順行輸送を特定したことで、この分子機構の正常化がPD患者へのより広範な治療法に繋がること期待できる。適切な治療標的の最適な治療法の特定が難しいPDの研究や新規治療法開発において。順行輸送のさらなる研究やその正常化を可能にする新規薬剤の開発は、PDの新規治療法の発見に繋がることが期待できる。
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