研究課題
基盤研究(C)
本研究は、脳血管を包括的かつ構成的に理解する目的で、1細胞レベルかつプロテオミックレベルでのサブセット規定を基盤に、トランスクリプトーム解析データと細胞アトラスとの照合・統合により老化・病態脳血管の深い洞察と分子メカニズムを得ようとする。同様の研究は国内外で開始されていない。特に老化・PD病態における脳血管サブセットの変質を、血中因子の脳血管への作用から明らかにする目的で、独自のPD患者炎症バイオマーカーの知見と融合して課題解決を目指す。
本研究は病態を司るメカニズムを明らかにする目的で、末梢免疫系と脳の相互作用に着目し、特に脳血管およびグリア細胞の細胞間相互作用を解析することを当初の目的としていた。関連研究として代表者は、シアル化されたタンパク質を認識するトマトレクチンをプローブが、血管のみならず炎症性細胞(CD68陽性)を検出することを神経疾患病態モデルマウス(ALS、ニーマンピックC型)において見出していた(学会報告済み)。しかしながら老化やパーキンソン病における共通性については不明であったため、様々な既報より報告された脳内炎症が慢性炎症性の免疫系細胞と炎症血管を介在したメカニズムに基づく可能性を追究したいと着想した。
パーキンソン病は根治療法のない神経変性疾患であり、家族性および孤発性のいずれにおいても対処療法しか治療法がない。このため、疾患修飾療法としての先制医療が期待されている。近年では脳内炎症に限らず、腸管をはじめとした末梢臓器の炎症がパーキンソン病の進行に寄与していると考えられる報告があり、注目を集めている。本研究は、脳と末梢臓器をつなぐ脳血管に着目し、炎症血管マーカーなどを検索した。老化に対する治療法やパーキンソン病の治療作用点として妥当性の検証が必要となるが、老化に連動して発現上昇するC4bやLyz2を分子標的とした創薬探索が今後期待される。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 1件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 図書 (2件)
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