研究課題/領域番号 |
19K07834
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
荒若 繁樹 大阪医科薬科大学, 医学部, 教授 (00344789)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 神経変性疾患 / 病態生化学 / パーキンソン病 / タンパク質分解 / オートファジー / αシヌクレイン / 神経病態学 / モデル動物 / 病態神経科学 / α-シヌクレイン |
研究開始時の研究の概要 |
パーキンソン病(PD)は、病理学的に神経細胞内におけるαシヌクレイン(αsyn)凝集体の出現によって特徴づけられる。本研究は、αsynの異常凝集に関与するオートファジーに着目し、その制御因子であるBeclin 1を標的とすることにより、αsyn神経毒性の緩和効果が得られるか調べる。Beclin 1欠損によってαsynの神経毒性が変化するか、Beclin 1機能誘導ペプチドを投与することによってオートファジー依存性にαsynの神経毒性が緩和されるかについてマウスモデルを用いて検討する。この研究から、PDにおけるオートファジー誘導治療の有効性を明らかにする。
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研究成果の概要 |
パーキンソン病の病態に深く関わるαシヌクレインの細胞内クリアランスを解明するため、オートファジー誘導因子であるBeclin 1のノックアウトマウスを用いて、αシヌクレインとオートファジーの関係を検討した。Beclin 1ノックアウトマウスの初代大脳皮質神経細胞において、ラパマイシン刺激によって誘発されるαシヌクレインの細胞外分泌が抑制されていることを見出した。また、野生型マウスと比し、5ヵ月齢のノックアウトマウスヘテロ接合体の大脳、線条体において不溶性αシヌクレインが蓄積していることを認めた。オートファジーは細胞外分泌を介してαシヌクレインの細胞内クリアランスに関与している可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
αシヌクレインの細胞内クリアランスの異常が、パーキンソン病の神経変性を引き起こすαシヌクレインの凝集体形成と細胞間伝播に関与していると考えられている。今回の研究結果は、オートファジーが従来考えられてきたタンパク質分解のみならず、細胞外分泌を介してαシヌクレインの細胞内クリアランスに寄与していることを示していた。オートファジーによる細胞外分泌の調節機構は、αシヌクレインの凝集体形成および細胞間伝播を修飾するパーキンソン病進行抑制治療の新たな候補と考えられる。
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