研究課題/領域番号 |
19K07835
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
柳下 聡介 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 疾病研究第五部, 室長 (30585592)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / 神経原線維変化 / 神経活動 / タウ / 新規遺伝子発現 / 加齢 |
研究開始時の研究の概要 |
アルツハイマー病脳に見られる神経原線維変化(NFT)は,過剰なリン酸化を受けた微小管結合タンパク質タウで構成されている。NFTは正常な老化でも観察されるが,形成メカニズムは分かっていない。私はこれまで,タウのリン酸化がどのように調節されているかを,明らかにしてきた。この知見を生かして,未解明のままであった「加齢と認知症発症との境界で起きる現象」の本質を,分子生物学的観点から理解することを目指す。
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研究成果の概要 |
正常な加齢やアルツハイマー病の発症に伴い,脳に神経原線維変化が出現する。神経原線維変化はタウというタンパク質が過剰なリン酸化を受けて,神経細胞内に蓄積したものである。神経原線維変化の形成過程を理解することは,脳における加齢やアルツハイマー病の発症過程を理解するのに重要である。本研究では,タウのリン酸化が普段から変動していること,神経活動によって新しいタンパク質が作られている時にはリン酸化タウが減少することを明らかにした。また,タンパク質合成が阻害されている時には,リン酸化タウが増加するだけでなく,不溶性のタウも増加していた。タウが蓄積する背景に,タンパク質合成の低下がある可能性を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
加齢やアルツハイマー病によってタウが蓄積するメカニズムを理解することは,加齢やアルツハイマー病の発症過程を理解することにつながる。この研究では,「普段,タウにどのような変化が起きているのか」を理解した上で,そこにどのような不具合が生じるとタウが蓄積する方向に進むのかを解明しようと試みた。本研究の期間内では,まず,神経が活動した時にタウに大きな変化が生じることを明らかにした。また,神経が活動した時に新しいタンパク質が作られる過程が阻害されていると,タウが蓄積に至る可能性を見出した。従来にはない観点からの研究であり,加齢やアルツハイマー病の捉え方に新しい選択肢を増やすという意義がある。
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