研究課題/領域番号 |
19K07842
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
原田 真市 金沢大学, 医学系, 准教授 (90272955)
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研究分担者 |
原島 愛 金沢大学, 医学系, 助教 (50705522)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | Glyoxlase / Glyoxalase / 線虫 / C. elegans / 統合失調症 / glyoxalase |
研究開始時の研究の概要 |
ブドウ糖や果糖などの糖質が代謝されることにより生じるメチルグリオキサール(MG)は非常に細胞毒性が強い。MGの蓄積は糖尿病合併症の発症・進展に関与するだけでなく、神経変性疾患などの多様な疾患にも深くかかわることが示されている。MGの解毒酵素であるGlyoxalase1 (GLO1)が統合失調症などの精神疾患との関連が示唆され、ヒトGLO1遺伝子内に存在するホモポリマー遺伝子多型とGLO1の発現量の変化が統合失調症の病態と相関することから、線虫C. elegansを用いた遺伝学、生化学、分子生物学及びエピジェネティクな解析から統合失調症を含む神経機能障害のメカニズムを解明し治療薬の開発に繋げる。
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研究成果の概要 |
統合失調症患者の一部にはメチルグリオキサールの代謝酵素であるグリオキサラーゼ遺伝子GLO1の変異が報告されている。そこで、ヒトGLO1遺伝子と線虫C. elegansのグリオキシラーゼをコードするglod-4遺伝子の転写調節領域の解析を行なった。その結果、GLO1/glod-4遺伝子双方の発現調節領域に相同性の高い複数の領域が見つかったが、転写調節因子とされるSKN-1がglod-4遺伝子発現に関与するかは特定できなかった。 また、線虫C. elegansの表現形の一つ、寿命を指標として薬剤ライブラリーのスクリーニングからglod-4変異体の寿命延長に関与すると推定される化合物Xを見つけた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生体内では糖質が代謝されることによりグリオキサール(GO)やメチルグリオキサール(MG)などの中間体が生成する。これら中間体の細胞毒性は非常に強く、加齢や糖尿病状態により蓄積することで糖尿病合併症の発症・進展に関与するだけでなく、神経変性疾患などの多様な疾患にも深くかかわっている。これら代謝物は、解毒酵素と呼ばれるGlyoxalase(GLO1)により酵素的に代謝され反応性の低い乳糖に変換される。 近年、MGによる精神疾患への関与が指摘され、MGの代謝、解毒に関与するGLO1とさまざまな精神疾患との関連や、GLO1遺伝子の分子基盤をを明らかにすることは精神疾患治療薬開発にも極めて重要である。
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