研究課題/領域番号 |
19K07847
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
梅田 知宙 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 特任講師 (70549790)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 神経変性疾患 / 認知症 / タウ / 予防薬・治療薬 / リファンピシン / 神経病理伝播 / rifampicin / tau oligomers / propagation / progression / tauopathy / 認知症進行の抑制 / ドラッグリポジショニング / Rifampicin / トランスレーショナルリサーチ / アルツハイマー病 |
研究開始時の研究の概要 |
アルツハイマー病の2つの原因分子アミロイドβとtauを同時に抑制可能な既存医薬品rifampicinが、疾患の進行を抑制できる可能性について検証する。アルツハイマー病では、脳に蓄積したアミロイドβの影響で生じる毒性tauが、神経変性を引き起こすと同時に、隣接する細胞間を伝播して脳内で変性領域を拡大することが知られている。このメカニズムに基づき、アミロイドβとtauの毒性体を同時に抑制できるrifampicinが、①細胞内での毒性tauの形成、②分泌後の毒性tau、③毒性tauの細胞内取り込み、をそれぞれ低下させることを培養細胞系で確認し、tau伝播モデルマウスでその伝播抑制効果を検証する。
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研究成果の概要 |
タウ伝播はアルツハイマー病(AD)の疾患進行の根底機序である。近年この伝播にタウオリゴマーが寄与することが示された。我々は経鼻リファンピシン(RFP)投与の抗タウオリゴマー薬効を報告してきた。本研究では新しいモデルマウスにおいて、タウ伝播に対する経鼻RFPの効果を調べた。野生型ヒトタウを発現し病理はないTau264マウスを用いて、片側海馬にAD患者脳から抽出したタウオリゴマー画分を注入した。RFP投与開始し6ヶ月後の病理と認知機能を評価した。その結果、タウ病理およびその他関連病理が両側性に拡大し、認知機能にも有意な低下が見られた。経鼻RFPはこれら病理の拡大を阻止し、認知機能を正常に維持した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
経鼻rifampicinはtau病理伝播を抑制することで、脳内変性領域の拡大と記憶障害を阻止した。経鼻rifampicinが、病理形成前での予防的効果だけでなく、疾患発症後の進行をも抑止できる可能性が示された。Drug repositioningによる効果的かつready-to-useな認知症予防薬・治療薬となりえる。
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