研究課題/領域番号 |
19K07859
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 公益財団法人東京都医学総合研究所 |
研究代表者 |
石田 裕昭 公益財団法人東京都医学総合研究所, 精神行動医学研究分野, 主任研究員 (70728162)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 化学遺伝学 / 小脳遠心路 / PETイメージング / マカクザル / 運動障害 / 遺伝子導入 / アデノ随伴ウイルス / ムシモル / 小脳視床路 / 小脳損傷 / AAV / DREADDs |
研究開始時の研究の概要 |
小脳損傷後は多様な運動障害が現れる。損傷部位は小脳自体と投射経路に及ぶため、症状の原因が小脳自体の損傷が原因なのか、それとも、小脳を起始とする特定の神経経路の損傷が原因なのか因果関係を特定できなかった。そこで本研究は化学遺伝学的手法のうちDREADD法をサルに用い、小脳を起始とする小脳視床路、小脳赤核路を経路選択的に遮断する手法を開発する。小脳投射経路を選択的に遮断した後、サルの行動変化、神経活動の変化を正常時と対比し、各経路に特異的な機能的役割を明らかにする。この手法により小脳損傷後の運動障害が特定経路の損傷が原因で起こるのか、小脳全体の損傷が原因で起こるのかを因果関係を示し明らかにできる。
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研究成果の概要 |
本研究はサル小脳の投射経路を標的に、化学遺伝学手法(DREADD法)を用いて、小脳の投射経路の活動を人工的に操作し、投射経路の機能的役割を明らかにしようとした。サルの小脳歯状核へDREADDを発現させるウイルスベクターを注入し、発現量をポジトロン断層法を用いて評価した。サル小脳に十分な発現が確認されたのち、投射経路の遮断を試みた上で、サルの運動や筋活動、各脳部位の神経活動の変化を記録した。しかし、解析の結果、DREADDによる操作の効果は認められなかった。片側の小脳投射経路を一時的に抑制しても小脳の優れた学習・適応力により変化は起こらない可能性が考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
霊長類の脳を用いた遺伝子導入技術の確立を目指した。サルを用いて小脳投射経路の操作が実現することによって因果関係に基づいた神経経路機能が明らかになり、ヒト運動失調の病態理解や新しいリハビリテーション法の開発が促進される。
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