研究課題/領域番号 |
19K07870
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
永石 歓和 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (30544118)
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研究分担者 |
射場 浩介 札幌医科大学, 医学部, 特任教授 (60363686)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 骨粗鬆症 / 糖尿病 / 間葉系幹細胞 / 骨髄間葉系幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病患者では、骨芽細胞の分化・機能異常に伴う骨粗鬆症、および慢性炎症に伴う臓器合併症を合併する。これらに共通する病態として、骨髄幹細胞の異常性とニッチ機能低下・骨形成能低下があるという仮説を立てた。本研究では、この仮説を立証し、骨髄幹細胞を治療標的とすることの意義を証明した上で、これらの異常性を効果的に制御する方法を検討する。まず、骨髄内へのMSC移植療法の有効性とその機序を明らかにする。さらに、末梢血から異常な骨髄由来細胞を取り除くサイトアフェレーシス療法の併用の有用性とその機序を明らかにする。
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研究成果の概要 |
間葉系幹細胞(MSC)は、骨芽細胞の活性化と破骨細胞の制御の両方の作用を有し、骨形成と骨吸収の両面から骨粗鬆症の予防や改善に重要であるが、糖尿病においてはMSCの機能異常が見られる。本研究では、異常化したMSCを賦活化する方法として臍帯由来抽出物と3次元培養の併用が有用であることを明らかにした。賦活化したMSCは骨形成関連因子や血管新生因子の発現が促進され、糖尿病モデル動物において骨皮質の菲薄化や構造異常を改善する傾向を示した。糖尿病における骨密度低下や骨質劣化の制御には、骨形成能に関わるMSCの賦活化による機能改善が重要であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糖尿病患者では高頻度に骨粗鬆症を合併し、骨密度の低下と骨質の劣化により骨折のリスクが高い。間葉系幹細胞は、その機能的特徴に起因して骨形成と骨吸収の両面の機序から骨粗鬆症の進行抑制および改善を期待できる新たな治療選択肢となりうる。一方で糖尿病では、高血糖に起因してMSCをはじめ骨髄幹細胞が異常化し、骨粗鬆症のほか様々な臓器合併症を引き起こす。本研究において、糖尿病患者の異常化した骨髄由来MSCを賦活化し機能改善する方法が解明できたことは意義が大きい。MSCによる細胞治療が骨粗鬆症における新たな治療選択肢となれば、骨折のリスク低下および寝たきり介護等の医療負担の軽減にも寄与する可能性がある。
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