研究課題/領域番号 |
19K07877
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
寺澤 晃彦 藤田医科大学, 医学部, 教授 (30399597)
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研究分担者 |
二橋 尚志 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 病院, 医長 (00426496)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 全身CT / 偶発所見 / がん検診効果 / 造影剤による副反応 / システマティックレビュー / がん検診 / 効果と害 / スクリーニングCT / 偽陽性 / 偽陰性 |
研究開始時の研究の概要 |
総合診療・救急医療では受診者に全身を評価するCT検査(スクリーニングCT)がよく行われ、診断目的の病態とは関係しないがん検診に類似する目的が必然的に含まれる。診断目的外に偶然見つかる異常所見に対する研究は十分行われておらず、発見された所見に対する適切な対応方法は定まっていない。一方、がん検診目的に行う無症状健常者に対する全身CTの検診効果は証明されておらず、異常所見に起因する偽陽性の懸念がある。今回の研究はスクリーニングCTのがん検診としての効果を観察研究とシステマティックレビューの方法で検証することが目的である。
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研究実績の概要 |
全身ルチーンCTによるがん検診効果のシステマティックレビュー(SR)については外傷患者の全身CT研究を対象に研究計画簡易版を国際レジストリPROSPEROに登録、Medicine誌に2021年1月に掲載されたプロトコールに従いSRを実施中である。適格基準に該当する採用研究27件中、定義に基づく全身CTを統一して実施した研究は5件のみで、体幹部のみ(頭頚部を除く)が3件、他は多様な撮影部位(頭部、胸部、腹部等の最低1部位以上の組み合わせ)が合同的に評価された。また造影剤を含む撮影プロトコールにも異質性が高く、外的妥当性に懸念が認められた。一方、外傷以外の偶発所見の臨床的重要性・重症度の操作的基準と経過観察方法、さらには解析単位にも研究間で高い異質性があった。2022年3月に文献アップデートを実施し、2022年度最終解析に入る予定である。 CT検査プロトコールに造影剤を追加的に使用する害についてのSRでは16件の非ランダム化比較研究(NRS)を同定し、過去に造影剤副作用歴がある場合の対応法とその比較効果についてメタ解析を実施した。6件のNRS(7155人が参加)では副作用を起こした可能性がある造影剤を変更するのみで約6割(リスク比=0.39; 95%信頼区間: 0.24-0.58)の副作用予防効果が示唆され、これは先行副作用の重症度や予防投与(ステロイド剤、抗ヒスタミン剤、両者併用)の有無に拠らず安定していた。本結果はRadiology誌に投稿して改訂中、近日中に受理となる見込みである。予防投薬の比較効果については現在最終解析中であり、結果を近日中に投稿予定である。 後方視的一次研究については上記の複雑な偶発所見の操作的基準を標準化し、データ入力を行うアプリの開発を行った。これに基づき偶発所見についてデータ抽出を行い、本邦3次医療機関からの結果を纏める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
悪性腫瘍を含む偶発所見のシステマティックレビュー(SR)については偶発所見全体の臨床的重要性・重症度の操作的基準が非常に複雑であった。意義のあるデータにするための標準化および報告の異質性を取り込んだ統合解析を実施する統計学的モデル(欠損データを含むイベント率に関する多変量ランダム効果メタ解析モデル)の構築に予想以上の時間を要している。 造影剤の追加的使用に関する項目では造影剤変更の効果に関する論文投稿で、ピアレビューで指摘された問題点(少数の大規模研究を含む統計学的異質性がある状況でのランダム効果メタ解析、個人レベルの効果の違いによる異質性の検討、造影剤変更を運用するためのシステムに関する提案の欠如)に対応するために多くの時間を必要としたため、予防投薬についての比較効果解析に遅延が生じた。 一次研究についても同様に、SRで観察された既報の定義の複雑性を考慮した偶発所見の操作的基準が必要であり、個人単位および解剖学的グループ単位の複数レベルを考慮した標準的な枠組みとデータ入力システム構築に時間を要し、データ抽出作業に遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
偶発所見のシステマティックレビュー(SR)については改変した解析の枠組みに基づいて最終解析(欠損データを含むイベント率に関する多変量ランダム効果メタ解析モデル)を実施し、論文化の予定である。 造影剤追加使用に関連する追加的な害については残った予防投薬の比較効果について最終解析を実施、論文化とする。予防投薬の使用、組み合わせの選択、先行使用造影剤の変更には交絡があるため、統計学的な統合は行わず、エビデンスマップを構築し、現状の証拠の問題点を論じる予定である。 一次研究については基本データベースは既に構築されているため、偶発所見のデータを追加次第、結果を纏める予定である。
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