研究課題/領域番号 |
19K07881
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
鍋島 茂樹 福岡大学, 医学部, 教授 (50304796)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | RSウイルス / 漢方薬 / 麻黄湯 / Gタンパク質 / 麻黄 / 桂皮 / 抗ウイルス薬 / 表面プラズモン共鳴法 / 漢方 |
研究開始時の研究の概要 |
RSウイルス感染症は、小児においてインフルエンザとともに呼吸器疾患による入院あるいは死亡の原因となる重要感染症であるが、いまだ特異的治療薬はない。申請者らは、これまで麻黄湯が抗インフルエンザ作用を有することを報告してきたが、さらに麻黄湯にはRSウイルスに対する抗ウイルス作用もあることがわかってきた。その機序として、ウイルスが宿主細胞膜に進入する過程を阻害している可能性が高いが、詳細は不明である。本研究では、培養系およびマウスへの感染により、麻黄湯による抗RSウイルス作用の機序を解明し、その有効成分を同定する。また、あわせて麻黄湯が宿主の自然免疫系に与える影響についても解析する。
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研究成果の概要 |
RSウイルス感染症は小児の呼吸器感染症であるが、しばしば重篤化することがしられている。しかし、有効な治療薬はまだない状況である。我々は、本研究において、漢方薬麻黄湯の構成生薬である麻黄と桂皮が、RSウイルスの外被タンパク質であるGタンパク質に結合することを見出した。しかも、Gタンパク質の受容体結合部位であるCCD(Central Conserved Domain)のCX3Cモチーフに結合することで、宿主細胞レセプターへの感染性を阻害することがわかった。マウスRSウイルス感染症においても、麻黄湯を投与すると肺のウイルス量が著明に低下することを証明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
小児の呼吸器感染症であるRSウイルス感染症は、しばしば重篤化することが知られているが、特異的な治療薬はまだない。本研究において、漢方薬の麻黄湯がRSウイルスの感染性を阻害すること、およびそのメカニズムを解明することができた。漢方生薬の麻黄と桂皮に、その成分が含まれていることが確かめられた。麻黄湯が、臨床的にRSウイルス感染症に有効かどうかを今後臨床試験にて確かめることが大切である。さらに、今後その化合物を同定し、非臨床試験に移行することも可能となる。麻黄湯は世界初のRSウイルス治療薬として再評価することも可能である。
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