研究課題/領域番号 |
19K07893
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
南 正明 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (70418739)
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研究分担者 |
牧野 利明 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 教授 (80326561)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 補中益気湯 / 肺炎球菌ワクチン / 漢方薬 / 肺炎球菌 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、薬剤耐性肺炎球菌の増加からも、ワクチンによる感染予防が重要視されている。しかし、接種後の抗体検査がないため、ワクチンの効果の確認ができていない。漢方薬は、日本では高齢者で使用例の多い薬物療法である。予備的に動物実験で肺炎球菌ワクチンと漢方薬との併用効果を検討したところ、補中益気湯とワクチンとの併用では有意な抗体価の上昇を認めたが、八味地黄丸では認めなかった。そこで本研究では、肺炎球菌ワクチンと漢方薬との併用により、ワクチン抗体価を上昇させる条件や作用メカニズムを明らかにして、漢方薬による肺炎球菌ワクチンのサポート療法という新規治療法の提案を目的とする。
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研究実績の概要 |
漢方薬・補中益気湯を前日から経口投与したマウスに肺炎球菌ワクチン(PCV-13)を皮内投与した。その後補中益気湯をワクチン投与後8日間投与し続けて、安楽死させた後に無菌的に血液と脾臓を採取した。血液から血清を分離して、ELISA法で肺炎球菌ワクチン抗体価を測定した。又脾臓から脾臓細胞を分離して、肺炎球菌ワクチンで24時間刺激した後に、脾臓細胞のトリチウムーチミジン取込能をRI法で、脾臓細胞の培養上清のIL-2とIL-4値をELISA法で測定した。その結果、肺炎球菌ワクチン投与のみのマウスでは、血清のワクチン抗体価が上昇した。補中益気湯を併用投与したマウスでも、血清のワクチン抗体価の抑制はなかった。肺炎球菌ワクチン単独投与と補中益気湯投与の間では、脾臓細胞を使用したトリチウムーチミジン取込能や、脾臓細胞の培養上清中のIL-2やIL-4でも、有意差は認められなかった。この結果より補中益気湯は脾臓細胞のT細胞を介しての免疫反応を抑制することはないことは明らかになった。日本では23価の肺炎球菌ワクチン(PPSV23)もあり、これはT細胞が関与しない作用機序のため、このワクチンで同様の研究をする予定だった。しかし、2020年初めから中国から始まった新型コロナウイルス感染症の世界的大流行により、大学の研究施設の使用制限の時期もあり、一時的にかなり研究の遅れがあった。それでも現在はかなり研究環境も改善傾向にあり、予定されていた研究の進行中であるが、当初の予定からの遅延は回復できていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度は23価の肺炎球菌ワクチン(PPSV23)を使用した補中益気湯によるワクチン抗体価上昇への影響についての研究をする予定だった。しかし2020年初めから中国から始まった新型コロナウイルス感染症の世界的大流行により、日本でも2020年4月からの緊急事態宣言発令により、動物実験施設などの大学の研究施設の使用制限があり、予定通りの実験が困難となったために、研究が殆ど進行しなかった。2020年度からの新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言発令により、動物実験施設などの研究施設の使用制限があり、予定通りの実験が困難となった。現在状況は多少改善傾向にあるため、研究を続行中だが、以前のレベルまでには達していない。
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今後の研究の推進方策 |
今年度も引き続き前年度に予定されていた研究(23価の肺炎球菌ワクチン(PPSV23)を使用した補中益気湯によるワクチン抗体価上昇への影響についての研究)を続行を検討しつつ、今までの結果をまとめる方向で研究推進をしていく。
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