研究課題
基盤研究(C)
Zn、Cuといった生物必須微量元素(バイオメタル)はアルツハイマー病(AD)脳で高濃度に存在し、ADでみられる神経原線維変化の構成要素:タウ蛋白のリン酸化を促進する可能性が示唆されている。申請者らはバイオメタルがタウオリゴマー形成を促進する機序、およびキレート剤がオリゴマー形成を抑制する機序について、TET-OFF誘導系を導入し野生型タウを発現する神経系細胞モデルを用いて詳細に検討する。同様にまた変異型タウモデルマウス(P301L)にバイオメタル、あるいはキレート剤を投与することによるタウオリゴマー形成に及ぼす影響、AD剖検脳でのバイオメタルとタウオリゴマーとの共存ついても検証する
アルツハイマー病でみられる神経原線維変化(NFT)にZn2+、Cu2+を含むバイオメタルが蓄積するとNFTの構成要素タウのリン酸化・重合を促進する。クリオキノール(CQ)はBBBを通過するバイオメタルキレート薬である。CQがタウ蛋白のリン酸化、およびオリゴマー形成に及ぼす影響につき野生型タウ(4R0N)を発現する神経系細胞を用いて検討したところ、2μMのCQによりタウを発現させた細胞内のCu+が著しく減少し、さらにCQはタウリン酸化酵素JNK、P38MAPキナーゼを不活性化し、リン酸化タウを減少させること、プロテアソーム、オートファジーを活性化し重合タウを減少させることが明らかとなった。
バイオメタルキレート薬 クリオキノールは細胞内のCu+を減少させた。また10μM以下であれば細胞毒性を示すことはなかった。さらに、タウリン酸化酵素を阻害することによるリン酸化タウの減少、ならびにオートファジー・プロテアソームを活性化し、重合した分子を含むタウを減少させることが明らかとなった。剖検脳でのバイオメタルの確認やマウスを用いた検討を行った後に、臨床研究を介して臨床応用するなどトランスレーショナルリサーチに応用できる可能性があり、今後の発展性が期待される。
すべて 2022 2021 2020 2019 その他
すべて 国際共同研究 (5件) 雑誌論文 (28件) (うち国際共著 7件、 査読あり 24件、 オープンアクセス 16件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 5件、 招待講演 1件) 図書 (6件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)
Neuroradiology.
巻: - 号: 9 ページ: 1829-1837
10.1007/s00234-022-02942-9
Nutrients.
巻: 14(3): 号: 3 ページ: 637-637
10.3390/nu14030637
巻: ;14(7): 号: 7 ページ: 1494-1494
10.3390/nu14071494
細胞
巻: 54 ページ: 50-54
Internal Medicine
巻: 60 号: 14 ページ: 2307-2313
10.2169/internalmedicine.6419-20
130008065205
Int J Mol Sci.
巻: 22(14) 号: 14 ページ: 7475-7475
10.3390/ijms22147475
巻: 22(21) 号: 21 ページ: 12063-12063
10.3390/ijms222112063
JAMA Neurol.
巻: 78(7) 号: 7 ページ: 853-853
10.1001/jamaneurol.2021.1509
J Stroke Cerebrovasc Dis.
巻: 30(7) 号: 7 ページ: 105804-105804
10.1016/j.jstrokecerebrovasdis.2021.105804
脳神経内科
巻: 95(4) ページ: 448-457
巻: 53 ページ: 781-787
40022470680
巻: 53巻1号 ページ: 44-46
BRAIN and NERVE
巻: 72 号: 5 ページ: 541-546
10.11477/mf.1416201559
40022256118
Journal of Atherosclerosis and Thrombosis
巻: 27 号: 4 ページ: 375-396
10.5551/jat.50948
130007824993
巻: 59 号: 6 ページ: 843-847
10.2169/internalmedicine.3652-19
130007808724
巻: 12(10): 号: 10 ページ: 3138-3138
10.3390/nu12103138
Neurobiology of Aging
巻: 89 ページ: 41-54
10.1016/j.neurobiolaging.2019.12.009
Journal of the Neurological Sciences
巻: 418 ページ: 117094-117094
10.1016/j.jns.2020.117094
eNeurologicalSci.
巻: 21 ページ: 100264-100264
10.1016/j.ensci.2020.100264
J Neurol Sci.
巻: 415 ページ: 116968-116968
10.1016/j.jns.2020.116968
臨床神経学
巻: 60 号: 12 ページ: 874-877
10.5692/clinicalneurol.cn-001474
130007961922
巻: 60 号: 11 ページ: 762-767
10.5692/clinicalneurol.cn-001441
130007945146
巻: 60 号: 2 ページ: 142-145
10.5692/clinicalneurol.cn-001345
130007802649
巻: 58 号: 1 ページ: 73-78
10.2169/internalmedicine.1451-18
130007542248
eNeurologicalSci
巻: 17 ページ: 100213-100213
10.1016/j.ensci.2019.100213
巻: 406 ページ: 116453-116453
10.1016/j.jns.2019.116453
巻: 399: ページ: 169-171
10.1016/j.jns.2018.12.013
Acta Neuropathologica Communications
巻: 7 号: 1 ページ: 12-12
10.1186/s40478-019-0662-1