研究課題/領域番号 |
19K07921
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
山田 俊幸 自治医科大学, 医学部, 教授 (50211636)
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研究分担者 |
黒田 毅 新潟大学, 保健管理・環境安全本部, 教授 (00372475)
川口 公平 自治医科大学, 医学部, 非常勤研究員 (20814651)
田中 将史 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (40411904)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 炎症 / 血清アミロイドA / 断片化ペプチド / 酸化修飾 / ヒストン / 質量分析 / 参加修飾 / モノクロ―ナル抗体 / アミロイドーシス / 免疫組織化学 / モノクローナル抗体 / 酸化 |
研究開始時の研究の概要 |
炎症が増悪方向なのか、鎮静方向なのかは炎症マーカーの測定値だけでは判断できない。そこで、急性期蛋白SAAの①HDLから遊離した断片ペプチドの検出、ならびに②SAA分子内アミノ酸側鎖修飾の解析が、炎症のベクトルの診断に有用との仮説を立て、これを検証する。①②とも検出、解析には質量分析をまず用いるが、血清・体液試料からSAAを効率よく抽出することが鍵となる。また①の臨床検査への応用のために当該ペプチドを検出するイムノアッセイを確立することもポイントとなる。
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研究実績の概要 |
急性期蛋白SAA(血清アミロイドA)は炎症活動性を鋭敏に反映するマーカーとして臨床検査として活用されている。本研究の目的は、SAAの量的変動だけでなく、質的な変化を解析することで炎症が鎮静化に向かっているか増悪する方向かの指標を見出だすことである。酸化修飾に関しては、その部位を認識するモノクロ―ナル抗体を採取したが、その力価の問題で血清等の臨床検体をサンプルとするアッセイは組めずにいる。次に、ヒストンとの結合を解析し、その結合が特異的であることから炎症のデブリスを処理する機序の一つであると想定した。以上の成果は、日本アミロイドーシス学会、日本臨床化学において口頭発表した。SAAの断片化の検討に戻り、in vitroで酵素を作用させる実験系で、N末端の断片化、C末端側の断片化を質量分析により検出する系を構築した。具体的には、ライソゾーム酵素であるカテプシンDを作用させるとN末端の複数の部位が分解を受ける。SAAのN末端はアミロイド線維化に必須かつHDLとの会合に必須な部位であることから、この部位を欠くペプチドは血中から速やかに代謝される可能性がある。つまり、このペプチドを臨床試料で検出できれば炎症をより鋭敏に捉えることができると想定される。次にカテプシンBを作用させる実験で、従来から言われているようにSAAの76-77位切断によるペプチドを検出できた。この切断によるN末端側がアミロイド線維化することがわかっており、この切断の機序と意義を今後さらに明らかにしていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ感染症の影響が少し残り、交流しての実験やmeetingが制限された。自家製の遺伝子組み換えSAAを利用するにあたり、精製過程でカルバミル化などの分子修飾を受けることが質量分析における分子量同定に影響した。精製法を再度見直すことに時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
SAAの分解物の構造解析を進める。分解物が培養上清や、血清試料などでも検出できるか確認し、臨床応用(患者血清での測定)への足掛かりとしたい。
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