研究課題/領域番号 |
19K07925
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
河野 緑 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (00225385)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 2型糖尿病モデルマウス / 腸内細菌叢 / メトホルミン / マウス / 胆汁酸 |
研究開始時の研究の概要 |
2型糖尿病治療薬であるメトホルミンは、肝臓での糖新生抑制作用を通じて血糖降下作用を発揮するとされている。近年、メトホルミンの消化管での作用についての知見が相次いで発表され、メトホルミンが、腸内細菌叢の変化を介して糖尿病の病態を改善させている可能性が十分に考えられようになったが、病態と細菌叢との関係は明確にされていない。本研究では2型糖尿病モデルマウス等を使って、メトホルミンによる腸内細菌叢の変動を、メタ16S解析、胆汁酸および短鎖脂肪酸の分析、腸内細菌叢を構成する培養可能な菌種の同定等を行うことで解析し、メトホルミン投与による病態の変化(改善)と腸内細菌叢の特徴との関係を検証する。
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研究実績の概要 |
メトホルミンは、2型糖尿病治療薬の1つであり、主に肝臓での糖新生を阻害することにより耐糖性を改善する。そのメカニズムは不明の点が多いが、AMP活性化キナーゼの活性による糖新生に関する遺伝子発現の抑制やAMPK経路を介さないアデニルシクラーゼやグリセロリン酸シャトル抑制などが関与しているとされている。また、メトホルミンが腸内細菌叢数を変化させることにより治療効果を高めているという報告もある。本研究の目的は、メトホルミンが腸内細菌叢にどのような影響を与えているのかをマウスを使って調べることである。具体的には、2型糖尿病モデルマウスであるC57BL/6JHamSLc-ob/obおよび同系統の野生型について、メトホルミン投与群とメトホルミン非投与群との腸内細菌叢の差異およびそれに付随すると考えられる胆汁酸組成の差異について、時系列でそれぞれの変化を調べている。 腸内細菌叢の変化としては、糖尿病モデルマウスおよびコントロールマウスともに、メトホルミン投与開始後に、Lactobacillus の割合が減少し、Bifidobacterium属が増加傾向を示した。胆汁酸組成については、凍結乾燥を行った糞便から胆汁酸分画を抽出し、LC MS/MSによる解析を行ったところ、メトホルミン投与群で明らかに、胆汁酸の種類が増加するが、その後も飼育を継続すると、胆汁酸の種類と量は、メトホルミン投与群と差が差が減少する傾向がみられ、その後、また投与群の胆汁酸が増加傾向に転じるという現象が観察された。これは、おそらくホメオタシスによるものではないかと推察された。現在、腸内細菌叢の変動特にBifidobacterium属菌種の変動について調査している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究代表者は、所属している大学の附属病院における新型コロナウイルス変異検査等に関わる必要が生じているため、既に生じている研究計画の遅れを十分に進めるための時間の確保ができていない状況が続いているため。
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今後の研究の推進方策 |
研究代表者は、再々延長を承認させていただきました。遅れておりますが、既に採取した糞便サンプルについて、個々の腸内細菌種と胆汁酸変動について解析を行っております。 今後の研究の推進方策 1)新規の動物実験は行わない。 2)胆汁酸プロファイルの変動ポイント時に採取した糞便について、腸内細菌叢ゲノム解析を行う。また、胆汁酸プロファイルの変動ポイント時に採取した糞便について、Bifidobacteriumの菌量の変動をリアルタイムPCRを利用して解析を行う。 3)昨年に引き続き、胆汁酸プロファイルについて、データベースを用いて、その特徴についての解析を行う。
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