研究課題/領域番号 |
19K07933
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
青山 琢磨 信州大学, 医学部, 特任教授 (60422713)
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研究分担者 |
垣野 明美 信州大学, 学術研究院医学系, 助教 (00534637)
沢村 達也 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (30243033)
川崎 雅規 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 非常勤講師 (50214630)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 変性HDL-C / 冠動脈硬化症 / LOX-1 |
研究開始時の研究の概要 |
従来よりHDL-C濃度は虚血性心疾患と負の相関があると認識されていた。一方、最近の研究では、冠動脈疾患患者におけるHDL-C値の介入試験で予後改善に結びつかないことがわかってきたが、これには、dHDLの混在が関与している(Lancet 2014;384:618-625)。本研究は、(LDL-C値を冠動脈疾患2次予防ラインにまで低下させても) 冠動脈狭窄の進展を起こす患者において、新規システムで測定したdHDLが実際の冠動脈狭窄に大きく関与するかどうかを、実臨床にて明らかにする世界で初めての研究である。
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研究実績の概要 |
本研究は、dysfunctional HDL-C (dHDL)が冠動脈狭窄に関与するかどうかを、明らかにする研究である。 信州大学医学部 分子病態学講座と、同連携大学院 木 沢記念病院 循環器病センターにて行う。冠動脈CTを用いて冠動脈狭窄度を評価した症例をA群、B群の2 群に分けている。A群: 冠動脈狭窄75%≦かつ機能的虚血 あり、B群: A群以外 A群には、dHDL検査セットA(dHDL、血清脂質等)及びB(心エコー、心電図等)を施行し、冠動脈造影、血管内超音波装置にて、脂質成分のプ ラーク内の組織性状の定量解析を進めている。適応症例では、方向性冠動脈粥腫切除術を施行しており、採取プラークの免疫組織標本を作製し、病理学的検討 を加えている。その 後、ガイドラインに従い、LDL-C値を100mg/dl未満に保ち、1年後、2年後に冠動脈CT評価、dHDL検査セットA及びBを施行し、dHDLの冠動脈硬 化症への関与を評価 する。 B群には、dHDL検査セットA及びBのみを施行している。観察開始後の1、2年後に冠動脈CT、dHDL検査セットA及びBの再検を行い、 dHDLの冠動脈硬化症への関与を評価を行っている。主要心イベントMACE(心臓死、心筋梗塞発症、対象病変の再PCI、心臓バイパス術)の有無に関しても検討している。以上の方法にて、 dysfunctional HDL-C (dHDL)が冠動脈狭窄に関与を明らかにしていく。 コロナウイルスによる全国的な病院受診患者減少と、当院の2回にわたる院内感染の蔓延、そして2022年に当病院は、新築移転をしており、診療形態の変更、循環器部門のスタッフの転入、転出もあり、本研究へエントリーする予想患者数の低下が生じており、現在研究の進展に関して遅れを生じて いる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究開始に当たって、信州大学及び当院の両施設おける本研究の倫理委員会承認に、時間がかかったため、研究開始時期が遅れた。2020年はじめより、全国 的なコロナウイルス問題にて、病院受診、紹介患者数が減少しており、循環器内科も同様に受診、入院患者数が減少した。そのうえ、2020年8月に循環器内科病 棟がコロナウイルス感染にて閉鎖状態となり、2021年更に当院は、全国有数の院内コロナウイルスクラスターとなった。その間、外来、病棟業務はじめ、心臓 CT、カテーテル検査、冠動脈治療に関しても一切施行不可能な時期が数ヶ月生じ、入院患者数の制限をおこなっている状態であった。また、2022年1月に 旧病院から新病院への移転があり、移転業務のため、検査、治療件数は引き続き制限を受けた。新築移転後も、診療形態の変更、循環器部門のスタッフの転入、転出もあり、本研究へエントリーする予想患者数の低下が生じており、現在研究の進展に関して遅れを生じている。現時点で70症例となっている。このため、研究システムは、完成し、稼働しているが、診療形態の変更、循環器部門のスタッフの転入、転出もあり、本研究へエントリーする予想患者数の低下が生じておりdHDL等の採血による検体及び、方向性冠動脈粥腫切除術による冠動脈プラーク組織切除検体の染色や免疫染色に関しては、まとまった検体数(採血検体 80検体程度、組織切除検体 30検体 程度)が揃ったところで、検査、解析を行い、目標症例100例まで順次、検体を追加していく。
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今後の研究の推進方策 |
2021年の2,3月の当院のコロナウイルスの病院クラスターによる本研究進展への影響は、多大であった。2021年夏季より2022年2月にかけて、当院の移転の伴う 臨床業務を中心に大きな制限生じたことが本研究の遅延につながった。研究を1年延長することにより、新病院になったことによる患者数の増加および本来の検 査、治療件数の確保が十分可能な状況になっている。 当院では、以前は1600症例の冠動脈CT 及び、500症例の冠動脈形成術を行っていたが、コロナウイルス蔓延と、ischemia試験の結果もあり、冠動脈形成術事態も年間300症例台に減少している。研究目標症例数である100症例まで、可能な限る早急に登録、データー解析を行う。このため、現在生じている、遅れに関しては、症例登録を早急に進め、2023年以内に完結する。随時解析を施行し、学術的に意味のある結果に関して、学 会、論文等にて発表、公開していくこととし、2023度中に研究を完遂する。
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