研究課題/領域番号 |
19K07944
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
|
研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
黒崎 祥史 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (20602030)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 糖尿病性腎症 / メガリン / バイオマーカー / 酸化ストレス / マイクロRNA / 糖尿病 |
研究開始時の研究の概要 |
腎尿細管において、エンドサイトーシス受容体メガリンはタンパク質の再吸収に重要な役割を担う。申請者らは糖尿病性腎症の初期に、酸化ストレスの亢進がメガリン発現を上昇させることを見出した。また、近年メガリンは尿細管障害を進展させる腎傷害性物質の「入り口」分子として同定され、その発現上昇が病態に関連する可能性も指摘されている。このように、メガリン発現の動態と腎症進展の関係を明らかにすることは、新規治療標的やバイオマーカーの探索に重要と考えられる。本研究では、糖尿病性腎症初期におけるメガリン発現の動態を明確にし、それに付随して変動する早期尿細管障害マーカーを尿中で探索することを目的に研究を行う。
|
研究成果の概要 |
酸化ストレスで誘導されるメガリン発現はメガリン自身の制御的膜内切断(RIP)にて負に制御されることが明らかになった。またメガリンRIPによって生じるメガリンの細胞内C末端ドメイン(MCTF)が、過酸化水素処理により細胞上清中に排泄された。さらに、このMCTFは1型糖尿病モデルラット尿中にも排泄された。腎皮質メガリン発現の上昇に伴いそのネガティブフィードバック機構としてRIP亢進が起こることが示唆される。さらに、メガリン発現を抑制的に制御すると考えられるマイクロRNA(miRNA) -148bの関与を検討したが、miRNA-148bは酸化ストレス誘導megalin発現上昇に影響を及ぼさなかった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの研究で、糖尿病性腎症の初期に腎尿細管におけるメガリンの発現が上昇することを明らかにしてきた。本研究では、このメガリンの上昇に対して抑制的に作用するメガリン制御的膜内切断(RIP)に関連する分子MCTFが、尿中に早期に検出される可能性を見出した。糖尿病性腎症は透析患者の原因疾患で最も多いため、MCTFを活用した糖尿病性腎症の早期診断は透析患者減少に寄与し、患者QOLの向上や透析に要する医療費の削減などに寄与することが期待される。
|