研究課題
基盤研究(C)
難治性の免疫性血小板減少症(ITP)に関する対策は未だ完全ではない。本研究では、難治性ITPを早期に診断して適切な治療ストラテジーを構築するために、Extracellular vesicle (EV)とサイトカイン遺伝子の一塩基多型(SNP)解析を組み合わせた早期診断システムの開発を目的としている。EVは、細胞の活性化やアポト-シスの結果生成される物質であり、生体における恒常性維持や様々な病態の発症メカニズムに関与している。サイトカイン遺伝子のSNPは多くの自己免疫疾患の病態に関わっており、海外ではITPの病態に関する検討が一部報告されている。
THP-1由来EVの構造解析、樹状細胞免疫誘導ならびにサイトカイン産生を検討した。ITP患者におけるサイトカインのSNP解析では、TGF-β1 +869 C/C genotype の頻度が健常コントロールに比較して有意に低値であることが判明した。ITPに対する治療反応性に関しては、ステロイドおよびトロンボポエチン受容体作動薬(エルトロンボパグ)の反応性とサイトカイン遺伝子多型に一定の傾向が得られた。以上の結果より、治療の反応性とEVに関するデータを組み込むことによって、難治性ITPの早期診断および適切な治療ストラテジーの構築に結びつく可能性が高いことが示唆された。
ITP患者のTGF-β1 +869 C/C genotype の頻度が健常コントロールに比較して有意に低値であることが判明した。またITPに対する治療反応性に関してもステロイドおよびトロンボポエチン受容体作動薬(エルトロンボパグ)の反応性とサイトカイン遺伝子多型との関連性について新たな知見を得ることができた。活性化したTHP-1からのEVの構造解析、ITPにおける標的細胞の検討と並行して、EVの樹状細胞免疫誘導ならびにサイトカイン産生が明らかとなった。以上より、治療の反応性とEVデータの組み込みによって、難治性ITPの早期診断および適切な治療ストラテジーの構築が可能となることが示唆された。
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