研究課題/領域番号 |
19K07964
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 国際医療福祉大学 (2020-2023) 九州大学 (2019) |
研究代表者 |
上原 平 国際医療福祉大学, 医学部, 准教授 (30631585)
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研究分担者 |
重藤 寛史 九州大学, 医学研究院, 教授 (50335965)
迎 伸孝 九州大学, 大学病院, 助教 (60532843)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | てんかん / 脳波 / 機械学習 / 発作間欠期てんかん性放電 / バイオマーカー |
研究開始時の研究の概要 |
発作間欠期てんかん性放電(IED)の過剰判読や、IEDの感度が低いことがてんかんの診断における問題になっており、IEDによらない客観的な診断手法の開発が必要である。本研究では、①頭蓋内外脳波の同時記録を解析し、IEDの遠隔効果による脳波変化を複数探索し、②同定した脳波指標とMRIを用いた機械学習を行い、てんかんか否かを自動判別する手法を開発する。頭蓋内脳波の裏付けに基づいた脳波指標を用いる点、複数のモダリティーを融合する点に本研究の独自性がある。脳波もMRIも広く普及している設備であり、本研究で精度の高い自動診断手法が得られれば、その波及効果は大きい。
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研究成果の概要 |
焦点てんかん、特に内側側頭葉てんかんでは、発作間欠期てんかん性放電(IED)の多くは頭皮上脳波では視認できない。私たちは、機械学習を用いて、このような「見えない」IEDを検出する手法の開発を行った。焦点てんかん患者を対象に頭蓋内および頭皮上脳波の同時記録を行い、頭蓋内脳波で海馬IEDを同定し、頭皮上脳波の特徴量を用いて機械学習を実施した。これにより、頭皮上脳波では視認できない海馬IEDを高精度で検出する分類器を作成した。外部データを用いた検証では、側頭葉てんかん患者のIED頻度の増加を検出できることが示されたが、てんかん患者と非てんかん患者との判別には改善が必要であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この研究の学術的意義は、人間の目では認知できないIEDを、頭蓋内脳波と頭皮上脳波の同時記録を学習データとすることで、人工知能によって高精度に検出できる可能性が示唆された点にある。また、外部データの検証により、側頭葉てんかん患者のIED頻度を反映する結果が得られ、臨床応用の実現性も示された。一方で、てんかん患者と非てんかん患者との判別においては、改善が必要であることも明らかになった。社会的意義としては、この研究に基づく将来の研究により、誤診のリスクが低減し、正確な診断に基づく治療が提供されることで、患者の生活の質の向上や医療コストの削減が期待される。
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