研究課題/領域番号 |
19K07967
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
日出山 拓人 東京医科大学, 医学部, 講師 (30511456)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 筋萎縮性側索硬化症 / ALS / RNA編集 / GluA2 / ADAR2 / 上位運動ニューロン / TDP-43 / ノックアウトマウス / AMPA受容体 / 神経細胞死 |
研究開始時の研究の概要 |
孤発性ALSの患者の運動ニューロンでは,グルタミン酸受容体サブユニットであるGluA2のRNA編集異常が疾患特異的に生じていました.そして,この分子異常が運動ニューロン死の直接原因になることをRNA編集異常を利用したコンディショナルノックアウトマウスの動物実験から明らかにし,孤発性ALSの疾患モデルマウスを開発しました.一方でALSにおいて上位運動ニューロンの変性の原因は未解明です.そのため,本研究ではこのモデルマウスを用いてRNA編集異常が上位運動ニューロンの細胞死の原因となっているかどうか検討することで,上位運動ニューロンの変性の原因と病因的意義を明らかにすることを目的としています.
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研究成果の概要 |
私たちは,孤発性ALSの剖検組織の検討からグルタミン酸受容体サブユニットであるGluA2 のRNA編集異常が疾患特異的に生じていることを明らかにした.さらに,この分子異常が下位運動ニューロンの脊髄運動ニューロン死の直接原因になることをコンディショナルノックアウトマウス(AR2マウス)の動物実験から明らかにし,孤発性ALSのモデル動物を確立した.これらをふまえ, RNA編集異常が上位運動ニューロンを含む大脳の神経細胞死の原因となっているのかとどうか,上述した疾患モデルマウスを用いて検討した.その結果,上位運動ニューロンでも下位運動ニューロンの脊髄と同様の神経細胞死が生じていることが分かった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,孤発性ALS同様にTDP-43病理が,AR2マウスの大脳皮質の神経細胞において神経変性と共に認められた.AR2マウスは上位運動ニューロン障害の検討においても孤発性ALSのモデルとして有用と考えられ,これまでの成果と合わせると孤発性ALSにおいて上位運動ニューロンと下位運動ニューロンの変性が同様の経路を介して生じている可能性が高いと考えられた.AR2マウスを利用し,ペランパネルの有用性が得られ,さらに有効かつ安全性の高い薬剤,遺伝子治療をはじめとした治療法の開発が進められている. 今後も本研究の継続で変性疾患の病因解明と発症メカニズムに基づいた分子標的治療法の開発が期待できる.
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