研究課題/領域番号 |
19K07976
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山口 浩雄 九州大学, 医学研究院, 学術研究員 (00701830)
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研究分担者 |
雑賀 徹 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (00744880)
松瀬 大 九州大学, 医学研究院, 助教 (70596395)
山崎 亮 九州大学, 医学研究院, 准教授 (10467946)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 多系統萎縮症 / 多発性硬化症 / マウスモデル / 一次進行型多発性硬化症 / α- シヌクレイン / αシヌクレイン / α-synuclein / 一次性進行型多発性硬化症 |
研究開始時の研究の概要 |
一次性進行型 MS(primary progressive MS, PPMS)には有効な治療法がなく、未だ動物モデルがない。私たちは、凝集性が強く細胞障害性が高いA53T変異αSynuclein をTet-offシステムを用いて生後3週齢の髄鞘形成期からオリゴデンドログリア特異的に発現できるマウスを樹立した。本マウスは、単麻痺/片麻痺/対麻痺/小脳失調等の多彩な症候と脳幹から胸髄にかけての顕著な脱髄、並びに活性化ミクログリアやT細胞の浸潤を伴うPPMS様病態を呈した。本研究ではこの世界初のPPMS動物モデルを用いて、オリゴデンドログリオパチーの病態を解明し、グリアを標的とした治療薬を開発する。
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研究成果の概要 |
多系統萎縮症(MSA)と多発性硬化症(MS)では、神経炎症、オリゴデンドログリアの喪失、脱髄、ミクログリアの活性化が見られ、共通の病理が示唆される。Tet-offシステムを用い、8週齢および3週齢よりオリゴデンドログリアで変異型ヒトα-SYNを発現させることにより、独自の新規 MSA-CおよびPPMSのマウスモデルの開発に成功した。MSAマウス脳のアレイ解析では、向炎症性グリアのマーカー遺伝子の増加を認めた。scRNA-seq解析で、炎症性サイトカイン増加を伴う新規のミクログリア亜集団を見出した。この新しいMSA-C/PPMSマウスモデルは、治療法開発のための強力なツールとなると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
PPMSおよびMSAは根治療法のない神経疾患で、これまで適切な動物モデルはなかったが、私たちは、これまでに報告の無いTet-off システムを用いた、独自の新規 PPMS/MSAモデルマウスの開発に成功した。これまでのMSAモデルマウスと比較し、より運動症状(小脳失調)が強く、病理学的にも脳幹小脳、脊髄を中心に強い炎症性病変がみられる。このMSA マウスを用い、私たちは世界で初めて脳内ミクログリアのscRNA-seq解析を行い、MSA に特異的なミクログリア亜群を同定した。このマウスはPPMS/MSA 治療法開発のための有用なツールとなると考えられる。
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