研究課題/領域番号 |
19K07979
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
永井 真貴子 北里大学, 医学部, 講師 (80420488)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ALS / TDP-43 / AAV / prion-like propagation / 筋萎縮性側索硬化症 / 海馬 / アデノ随伴ウィルス / 前頭側頭型認知症 |
研究開始時の研究の概要 |
筋萎縮性側索硬化症と前頭側頭型認知症は正常では核内にあるTDP-43が高度にリン酸化・断片化し,細胞質に凝集するという共通した病態を持ち,TDP-43プロテイノパチーという概念で捉えられる。病期の進行は異常なTDP-43蛋白が細胞間で伝播し神経細胞死が進展するためと考えられている。本研究ではアデノ随伴ウィルスを用いてマウスの嗅内皮質や海馬の細胞群に限局的に変異型TDP-43を発現させ,神経細胞死や異常なTDP-43の伝播を解析し,海馬体の回路内の神経変性が拡大する機序を解明する。また家族性ALSの原因遺伝子であるOPTNの変異型を海馬体に発現させ,TDP-43の凝集が起こる機序を解明する。
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研究成果の概要 |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)はTDP-43蛋白が異常に凝集し神経細胞を伝播して細胞死が連鎖すると考えられている。アデノ随伴ウィルス(AAV)に緑色蛍光蛋白(GFP)cDNAを組み込み、嗅内皮質,内側中隔野に注入するとGFPは神経細胞体から神経線維に発現し,海馬に神経線維が投射するのが認められた。正常TDP-43 cDNAと変異型TDP-43 cDNAを組み込んだAAVを注入するとTDP-43蛋白の正常型は核、変異型は細胞質に発現し、経時的に神経細胞の変性を認めたが、投射先の海馬の細胞まで蛋白の発現を追うことができず、また海馬の細胞に異常TDP-43が伝播することはなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ALSを含む神経変性疾患ではTDP-43などの特定の蛋白質が異常に凝集し、それが神経細胞を伝播して細胞死が連鎖すると考えられている(プリオン仮説)。本研究ではAAVを用いてマウス海馬への入力部位である嗅内皮質,内側中隔野にTDP-43を発現させ、海馬へ異常TDP-43が伝播し広がるALSモデルマウスを作成することを目的としたが達成できなかった。パーキンソン病のモデルではαシヌクレイン凝集体をマウスに注入すると広範な伝播が認められるが、ALSにおけるTDP-43蛋白異常については異なった機序の検討が必要と考えられた。
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