研究課題/領域番号 |
19K07981
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
斉藤 史明 帝京大学, 医学部, 教授 (40286993)
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研究分担者 |
真先 敏弘 帝京科学大学, 医学教育センター, 教授 (00585028)
萩原 宏毅 帝京科学大学, 医療科学部, 教授 (80276732)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ゲノム編集 / エピゲノム編集 / CRISPR/Cas9 / 筋強直性ジストロフィー / アルツハイマー病 / アルツハイマー型認知症 |
研究開始時の研究の概要 |
中枢神経系の変性疾患や筋ジストロフィーをはじめとする筋疾患はその原因が徐々に解明されつつあるが、多くの疾患において未だ治療法は確立されていない。一方2012年にCRISPR/Cas9が登場して以降ゲノム編集技術は急速なスピードで進歩を遂げ、疾患治療への応用にも大きな期待が持たれている。本研究の目的はCRISPR/Cas9とそれに関連した先進的ゲノム編集技術を用いて、これら難治性神経筋疾患に対する新規治療法開発のための基礎的研究を行う事である。これらのデータを蓄積することにより、将来的にヒトの同疾患に対する治療法開発に向けた新たな一歩を踏み出すことができるものと考えられる。
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研究成果の概要 |
本研究では未だ治療法のない難治性神経筋疾患に対する新たな治療法の確立を目指して、培養細胞を用いたゲノム編集治療の基礎的研究を行った。始めに筋強直性ジストロフィー患者由来細胞に対してDMPK遺伝子のCTGリピート配列に対するゲノム編集を行ったところ、疾患バイオマーカーであるRNA凝集体の減少を認めた。またプロモーター領域に対するCRISPR interference法を試みたところ、同様なRNA凝集体の減少を認めた。次にアルツハイマー病の原因と考えられるAβの減少を目指して、APP遺伝子に対するゲノム編集ならびにエピゲノム編集を行った。その結果いずれの方法においても培養上清中のAβは減少した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
筋強直性ジストロフィーの原因であるCTGリピートをゲノム編集で切除したりDMPK遺伝子の発現をCRISPR interference法で減少させる事により、同疾患の表現系を改善できることをin vitroの系で示した。またアルツハイマー病の原因であるAβをゲノム編集やエピゲノム編集で減少可能である事も示した。そして今後これらの技術を疾患治療へ応用するための基礎的なデータを蓄積する事ができた。特にゲノムを切断しないCRISPR interference法やエピゲノム編集は、通常のゲノム編集よりも安全性の高い方法として治療法の開発に向けて注目すべき技術であると考えられた。
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