研究課題/領域番号 |
19K07982
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 明治薬科大学 |
研究代表者 |
紀 嘉浩 明治薬科大学, 薬学部, 教授 (80415140)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | RNA結合タンパク質 / アルツハイマー病 / スプライシング / hnRNPAファミリー / CD33 / TREM2 / ミクログリア / 選択的スプライシング / hnRNPA1 / 翻訳 |
研究開始時の研究の概要 |
ミクログリアは脳の免疫担当細胞であり、神経疾患での役割が注目されている。特にアルツハイマー病では、ミクログリア関連遺伝子が遺伝的リスク因子として多数同定されている。ミクログリアは周辺環境に応じてその性質を変化させ、それに伴い遺伝子発現プロファイルも変化する。このような遺伝子発現制御プログラムには、転写因子だけでなくRNAプロセシング制御因子も関わる可能性があるが、その詳細は不明である。本研究では、ミクログリア機能に関わる重要遺伝子群に注目し、それらのRNAプロセシング制御因子の同定を試みる。そして、アルツハイマー病モデルマウスにおいて各制御因子を増減させることで、病態への影響を検証する。
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研究成果の概要 |
ミクログリアは脳を構成する細胞の一種であり、各種の脳疾患において近年その役割が注目されている。本研究では特にアルツハイマー病に関連する遺伝子であるTREM2およびCD33の発現制御を担う分子機構の解明を目指した。TREM2のエキソン3は選択的スプライシングの制御を受けるが、本研究ではその制御因子としてCELF2を見出した。さらにTREM2が5′非翻訳領域依存的に翻訳の段階でも制御を受けることも明らかにした。また、CD33のエキソン2の選択的スプライシングはミクログリアの貪食能に影響するが、HNRNPAファミリーのRNA結合タンパク質がこのスプライシングを制御することを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究ではミクログリアの機能に関わるタンパク質であるTREM2とCD33がどのような発現制御を受けているかを明らかにした。この制御機構の知見を応用することで、両タンパク質の発現の人工的な操作が可能であると考えられる。TREM2やCD33はアルツハイマー病に影響するため、新たな治療介入の道が拓かれる。また、今回、ヒトとマウスのTREM2を比較したが、制御の受け方には種間で差がみられた。疾患研究ではマウスが多用されるが、少なくとも一部の性質はマウスのTREM2では再現されなかった。マウスモデルの使用は有用であるが、ミクログリアの動態の解釈には注意が必要であることを示唆する結果となった。
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