研究課題/領域番号 |
19K07984
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
|
研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
平野 牧人 近畿大学, 医学部, 教授 (50347548)
|
研究分担者 |
竹原 俊幸 近畿大学, 大学病院, 助教 (60580561)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 核酸医薬品 / 筋萎縮性側索硬化症 / iPS細胞 / 非翻訳領域反復配列延長 / 運動ニューロン / ATXN8OS / SCA8 / ATXN8 / 非翻訳領域反復配列 / iPS |
研究開始時の研究の概要 |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、運動ニューロンの変性により筋肉が徐々に萎縮する予後不良の神経難病であり、原因・根治療法は確立されていない。欧米で多いnon-coding RNA(ncRNA)に関連するC9ORF72遺伝子の反復配列延長は、日本では、まれである。私たちは、ncRNAに関連する脊髄小脳萎縮症8型の原因遺伝子ATXN8OSの反復配列がALSの約3%で延長していることを発見した(Neurol Genet 2018;4:e252)。本研究では、ATXN8OS関連ALSの病態関連蛋白の同定とiPS細胞由来の運動ニューロンモデルの構築と治療法開発を目指し、病理組織も用いて結果を検証する。
|
研究成果の概要 |
本研究は、ATXN8OS関連筋萎縮性側索硬化症(ALS)の病態解明とiPS細胞由来の運動ニューロンモデルの構築と治療法開発を目標とした。ブレインバンクから提供された病理学的確診ALSのDNAを解析した。その結果、1例でATXN8OS変異を同定した。本例では、脊髄前角運動ニューロンにTDP43の凝集が見られた。また、別のATXN8OS関連ALS患者のiPS細胞を運動ニューロンへ誘導した。正常対照と比べ、明らかに生細胞数が減少していた。残存細胞内にRNA凝集が観察され、それらはTDP43と共在した。鎖特異的siRNAを発現させたところ、2種類のsiRNAで患者由来細胞の生存が有意に改善した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の研究成果により、ATXN8OS関連ALSは、古典的ALSと共有するTDP43が介在する病態機序が考えられた。また、患者iPS由来運動ニューロンでは、細胞生存率が低下しており、細胞内凝集も再現されたことから、この細胞はALSのモデル細胞として使用できると考えられた。また、遺伝子発現低下を目指したsiRNA導入にて細胞死が減少することから、ATXN8OS変異による毒性が病態に関与していることが示唆された。さらに、モデル細胞をsiRNAにより治療させることができる可能性を示した点で、今後の治療開発に対して、重要な知見であると考えられる。
|