研究課題/領域番号 |
19K07993
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
宮崎 育子 岡山大学, 医歯薬学域, 講師 (40335633)
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研究分担者 |
浅沼 幹人 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (00273970)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | パーキンソン病 / α-シヌクレイン / ロテノン / アストロサイト / ミクログリア / ドパミン神経障害 / ドパミン神経細胞 / 腸管神経系 / 神経科学 / 脳神経疾患 / 脳・神経 / グリア細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
孤発性パーキンソン病(PD)におけるLewy小体を伴う神経障害機構は未だ解明されていない.Lewy小体の主要構成成分であるα-シヌクレイン(α-syn)の凝集・蓄積および伝播がPD発症の重要な要因として注目されている.本研究では,アストロサイトの部位特異性がもたらす神経細胞内α-syn動態と環境毒ロテノン誘発α-syn凝集体形成・選択的神経障害との連関について初代培養細胞およびロテノン投与PDモデルマウスを用いて検討し,PDにおける中枢および末梢神経系のLewy小体形成および神経障害機構の解明を目指す.
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研究成果の概要 |
環境毒ロテノン誘発ドパミン神経障害は中脳アストロサイト-ミクログリア相互連関を介して惹起されることを明らかにした.中脳アストロサイトがドパミン神経細胞におけるα-シヌクレイン (α-syn)発現を誘導することを示した.ロテノン曝露による中脳グリア細胞分泌分子の網羅的検討により,炎症反応関連分子の増加,抗酸化分子やα-syn凝集・細胞間伝播抑制分子の低下がみられた.ロテノン投与パーキンソン病モデルマウスでは,中枢のみならず末梢腸管神経系においてもα-syn集積と神経変性がみられたが,両者が一致しない脳部位もあった.部位特異的神経障害には細胞内α-syn集積に加え他の要因が関与すると考えられる.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年,グリア細胞の部位特異性や神経-グリア連関が注目されつつある.本研究では,アストロサイトの部位特異性が神経細胞でのα-syn発現動態を規定すること,ロテノン誘発ドパミン神経障害においては部位特異的アストロサイト-ミクログリア相互連関が重要であることを明らかにした.また,孤発性パーキンソン病における特定の神経系におけるLewy小体を伴う神経障害機構を解明するためには,アストロサイト-ミクログリア相互連関の部位特異性に着目する必要性があることを提示した.また,本研究でのグリア細胞が部位特異的に分泌する神経障害性分子の同定結果は,今後の神経保護薬開発に寄与しうる.
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