研究課題/領域番号 |
19K07998
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
藪内 健一 大分大学, 医学部, 助教 (10763807)
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研究分担者 |
松原 悦朗 大分大学, 医学部, 教授 (70219468)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | Aβオリゴマー / アルツハイマー型認知症 / Aβオリゴマー抗体 / CDRペプチド / マイクロダイアリシス / Aβオリゴマー特異的抗体 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らは,アルツハイマー型認知症(AD)の病態基盤分子であるアミロイドβオリゴマー(AβOs)のみを標的とする抗体を独自に開発した.本研究では,この発明抗体をもとに,より医療経済への負担が少なく中枢移行性に優れた最小フラグメント化抗体による抗体医薬品の開発する.ヒトのAD病理をよく再現する疾患モデル動物を用いて,これら抗体の投与経路毎の脳内動態と,ADの病態分子へ薬理作用とを高分子マイクロダイアリシス法を用いて一元的に解明することで,投与経路と投与間隔の最適化を計り,先制医療から根治療法までを切れ目なく網羅する画期的な標的分子医療の確立を目指す.
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研究成果の概要 |
アルツハイマー型認知症(AD)の根治療法の開発を目指し,我々は独自にADの原因分子(Aβオリゴマー;AβOs)を認識する最小フラグメント抗体を創製した.本研究では,ADモデル動物を用いて,この抗体の脳内での立ち振る舞いと,記憶障害に対する効果を検証した.その結果,この抗体は末梢からの投与で容易に脳内に移行し,海馬や大脳皮質に分布することを見出した.また,モデル動物の記憶障害を,正常マウスと同程度まで改善させた.今後はより詳細な作用機序や臨床応用に向けた製剤開発に向けて研究を進める.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々が新規開発した最小フラグメント抗体は,優れた脳内移行性を持ち,抗Aβオリゴマーフルボディ抗体に匹敵する記憶障害予防効果を持つだけでなく,従来の抗Aβオリゴマー抗体と異なり神経細胞内にも作用点を持つ可能性を見出した.以上より,本抗体が細胞内Aβオリゴマーの挙動の理解や制御を通してADの病態解明に大きく貢献することが期待できる.社会的には,急速な高齢社会の大きな問題であるADに対して,安価で効果的な根治療法の開発に道を開き,以って医療介護における人的経済的負担の軽減に貢献できると考える.
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