研究課題/領域番号 |
19K08002
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
高橋 慎一 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任教授 (20236285)
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研究分担者 |
森本 悟 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任講師 (00816952)
馬島 恭子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 訪問研究員 (30812440)
岡野 栄之 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (60160694)
伊澤 良兼 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (90468471)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | アストロサイト / ミクログリア / ニューロン / ヒトiPS細胞 / 脳梗塞 / 代謝コンパートメント / 脊髄運動ニューロン / ペントースリン酸経路 / 14Cグルコース / アストログリア / ヒトiPSC |
研究開始時の研究の概要 |
我々は脳の機能維持機構をアストロサイトの代謝コンパートメントという面で研究を進め、ニューロンの代謝を正常に維持し、酸化ストレスを軽減する作用を担うことを明らかにしてきた。その破綻が脳梗塞急性期の病態であり、ニューロンへ保護作用を持つアストロサイト機能活性化の誘導が新規治療戦略となる。虚血脳においてはミクログリアがアストロサイトの挙動を大きく変化させる。ミクログリアは必ずしも神経障害的アストロサイト(A1)ではなく、神経保護的アストロサイト(A2)の誘導も起こすことを発見した。本研究ではそのA1、A2の分岐をもたらす分子メカニズムを明らかにし、脳梗塞治療のブレークスルーとなる出口戦略を模索する。
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研究成果の概要 |
我々はアストロサイトの代謝に焦点を絞り、神経保護的アストロサイト(A2 astrocyte)の代謝プロファイルについて多くの研究成果をあげてきた。A2 astrocyteの治療応用を目指す過程で、その誘導には細胞障害性・炎症性ミクログリア(M1 microglia)との相互作用が重要であることを発見した。しかし、これらの研究成果は齧歯類由来の培養細胞を用いた結果である。本研究によりヒトへの応用の次のステップとしてヒト由来iPS細胞から分化誘導したアストロサイト、ミクログリアを用いて代謝動態を世界で初めて実測した。ヒトにおけるA2 astrocyte誘導による脳梗塞急性期治療法の開発に近づいた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
神経細胞(ニューロン)の機能維持には高度に制御された脳微小循環環境が必要であり、その破綻は急性期脳梗塞のみならず、慢性低灌流による大脳白質病変(脱髄と軸索障害)、βアミロイドの排出障害をトリガーとするアルツハイマー病の原因ともなる。ニューロンと微小循環に介在する細胞はアストロサイトのみであり、その神経機能維持・保護、微小循環制御機構解明は重要な課題である。ヒトiPS細胞由来のアストロサイトの代謝プロファイルをin vitroで詳細に検討した本研究結果は、同様に誘導したニューロン、ミクログリアとの相互作用と併せ、急性期脳梗塞のみならず神経変性疾患、神経免疫疾患の病態解明と治療法開発に資する。
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