研究課題/領域番号 |
19K08007
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
北市 雄士 北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (80374445)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 脳内微小透析 / ドパミン / 側坐核 / ドパミン部分アゴニスト / ドパミン部分作動薬 / 抗うつ効果 / 難治性うつ病 / 報酬予測課題 / 脳内微小透析法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ドパミン部分作動薬の抗うつ効果増強作用を明らかにすることで、難治性うつ病のメカニズムを解明し、適切な薬物療法を臨床の場にフィードバックすることを目的としている。 1、脳内微小透析法を用いて、ドパミン部分作動薬と抗うつ薬との併用によるラットの細胞外ドパミン、セロトニン、ノルアドレナリン濃度の変化を測定し、その作用メカニズムを検討する。 2、難治性うつ病患者に対して、ドパミン部分作動薬を服用前後で報酬予測課題fMRIを施行し、腹側線条体の神経活動を測定する。生化学的なマーカーとして血液中のhomovanillic acid をあわせて測定し、ドパミン神経伝達への影響を検討する。
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研究成果の概要 |
ミルナシプランとドパミン部分アゴニストであるアリピプラゾールの併用では、ラットの側坐核における細胞外ドパミン濃度の明らかな増加は認められず、細胞外ノルアドレナリン濃度の増強を認めた。セルトラリンとアリピプラゾールの併用は、強制水泳試験におけるスコアを有意に減少させた。反対に低用量のアリピプラゾール(0,3mg)の併用では、スコアが高い傾向を示した。セルトラリンとアリピプラゾール(3mg, 9mg)の併用は無動時間を延長させた。薬理学的な結果と行動学的な所見は一致しなかった。 臨床研究に向けて準備を行っていたが、covid-19の流行が続くため被験者の安全を考え臨床研究は中止とした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
基礎研究の結果では、抗うつ薬とSSRI/SNRIによる抗うつ効果増強のメカニズムはそれぞれの抗うつ薬で異なった作用機序が関係している可能性が示唆された。臨床場面において、ドパミン部分アゴニストと併用に効果的な抗うつ薬の選択には、さらなる基礎研究の推進に加えて、うつ病患者さんによる臨床研究が今後重要と考えられた。
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