研究課題/領域番号 |
19K08026
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
桐野 衛二 順天堂大学, 医学部, 教授 (90276460)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | rs-fMRI / 拡散テンソルイメージング / 統合失調症 / functional connectivity / 補足運動野 / rsfMRI / schizophrenia / sLORETA / supplementary motor area / cortico-striatal network / caudate / Functional Connectivity / fMRI / EEG / DTI / Schizophrenia |
研究開始時の研究の概要 |
統合失調症の病態にfunctional connectivity の異常が大きく関わっていることが報告されているが、依然一定の見解は得られていない。 本研究においては、各計測モダリティの空間・時間解像度の利点を生かして双補的に用い、統合失調症のFCの統合的評価を目的とする。また複数の計測モダリティを組み合わせる場合、データを統合的に解釈するには同時計測が理想的である。fMRI・脳波・拡散MRIの同時測定はそれぞれのニューロイメージング手法の持つ利点を最大に生かせる組み合わせと考えられる。特に本研究においては、神経発達障害の観点からネットワーク間分離不全による相互制御の障害の解明に重点を置く。
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研究実績の概要 |
令和5年度は成人でのFC(functional connectivity)およびDTI(拡散テンソルイメージング)の方法論の確立に努めた。その成果の一部は論文、学会などで報告された。rs-fMRIおよび脳波による検討では、統合失調症にDMN内FCの特異的異常は確認できなかった。一方で、健常群では尾状核を起点とする後頭領域、中および下側頭回、後部帯状回へのFCにおいて有意な負の活性を示したのに対し、統合失調症患者では負のFCが消滅していた。一方、統合失調症患者ではSMA-両側中心後回、外側後頭皮質下部でFCは亢進し、補足運動野(SMA-両側被殻では減衰していた(右SMA seed)。(神経内科 94 (2): 218-224, 2021, Clinical Neurophysiology131 (10): e252 2020)統合失調症においてSMAに関する所見は、灰白質の構造上の異常8,9)、自発活動時の低活動、緊張病状態では安静時脳血流亢進11)などが報告されており、基底核および皮質-基底核ネットワークの機能不全や皮質間の抑制機構不全を代償するためにSMAを含む皮質内ネットワークが過活動になっているとも推察されている。統合失調症患者ではSMAを起点としたconnectivityの亢進(SMA-皮質内)または減弱(SMA-被殻)を認め、皮質-基底核ネットワークの機能不全を、SMAを含む皮質内ネットワークが代償していることを示唆する所見とも考えられた。この所見は統合失調症においてネットワーク間の相互制御に障害があることを示唆し、ネットワーク間分離不全仮説を支持するものとも考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍のため患者・健常者ともにリクルートが困難となり、サンプル数が増えない状況である。大きな目標の一つであったARMS(前駆期患者)のサンプル数が増えてない。
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今後の研究の推進方策 |
現在ARMS症例についてデータ収集中であるが、未だ十分なサンプル数に達してないため、令和5年度も継続してデータ収集にあたりたい。さらにDKI・NODDIとrsfMRI・脳波所見と統合した包括的なARMSのFC異常の病態モデル確立を試みる予定である。
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