研究課題/領域番号 |
19K08028
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
|
研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
肥田 道彦 日本医科大学, 医学部, 准教授 (60434130)
|
研究分担者 |
大久保 善朗 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (20213663)
舘野 周 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (50297917)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 情動認知ネットワーク / タウ病理回路 / タウイメージング / デフォルトモード・ネットワーク / 機能的MRI / 機能的結合 / 認知症 / ポジトロンCT / 問題行動 / タウオパチー |
研究開始時の研究の概要 |
近年の認知症研究から、タウ蛋白の蓄積による神経障害が幻覚・妄想や異常行動の出現に関与する可能性が指摘されている。タウオパチーは、ポジトロ断層撮像法(PET)を用いたタウイメージングによって評価が可能であるが、認知機能に関わる神経回路の障害については、機能的MRIを用いて評価する必要がある。しかし、PETと機能的MRI双方で、タウ病理回路と脳機能関連部位を評価した報告は我々の知る限りまだほとんどない。本研究では、PETと安静時・機能的MRIを用いて、タウ病理回路と意識や注意、視聴覚、言語・情動認識などの機能的認知ネットワークとの関連を検証し、認知症異常行動のメカニズムを解明することを目標とする。
|
研究実績の概要 |
タウ蛋白の脳内集積で特徴づけられるタウオパチーにより認知症の異常行動が出現することは多く、認知症前駆期や認知症の精神病症状に関する研究からも、タウ蛋白による神経障害が幻覚・妄想や異常行動の出現に関与する可能性が指摘されている。このようなタウオパチーは、ポジトロン断層撮像法(PET)を用いたタウイメージングによって評価が可能であるが、認知機能に関わる神経回路の障害については、機能的MRIなどの認知機能関連脳部位を用いて評価が必要である。近年、機能的MRIを用いて安静時に自己の内省をしている際の脳内ネットワーク(デフォルトモード・ネットワーク)の障害が認知症の記銘力障害だけでな く認知症の異常行動にも関連していることが報告されている。しかし、タウイメージングと機能的MRIによる認知機能関連画像の双方を重ね合わせ、タウ病理回路とDMNの関連部位を評価した報告はない。本研究では、ポジトロン断層撮像法(PET)特に、タウイメージングと安静時・機能的核磁気共鳴画像(rsfMRI)を行い、タウ病理回路と意識や注意、視聴覚、言語・情動認識などの機能的認知ネットワークとの関連を検証することで、認知症の異常行動のメカニズムを明らかにすることを目標とした。2021年度に引き続き、本年度も、タウイメージングの解析、安静時機能的MRIの画像解析を並行して行った。これらの結果を融合させ報告し、個々の認知症患者の問題行動の神経基盤を明らかにしたいと考えている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度も、個々のタウイメージングのデータから脳内集積のあるものについて、個々の集積分布の検証を行うことができた。安静時機能的MRIの解析方法を行い、健常人の機能的MRIと個々の認知症の機能的MRIのデータの比較中である。解析に時間を要しているが、報告できる段階になっており、論文化をすすめている。
|
今後の研究の推進方策 |
個別のタウイメージングの解析結果からタウ蓄積の脳領域を特定する。そのうえで、関心領域の機能的結合がどのように変化するかを機能的MRIの健常者群と個々の認知症症例の画像データを比較することで検証する。可能なデータについては、死後脳の病理データとの比較によりタウ病理の検証を行う。これらを統合し解析することによって分子イメージングと認知機能イメージング双方の視点から認知症の行動異常に関する脳病態を理解していきたいと考えている。
|