研究課題/領域番号 |
19K08049
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
織部 直弥 九州大学, 医学研究院, 特別教員 (70730498)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 双極性障害 / 脳波 / 聴性定常反応 / 縦断研究 / 縦断的研究 / 機能的MRI |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、双極性障害患者を対象に、i)多チャンネル脳波計を用いて聴性定常反応(ASSR)の測定を行うこと、ii)安静時機能MRIを測定して脳内の機能結合の評価を行うこと、iii)上記検査を異なる病相(躁病相、うつ病相、寛解期)で行い、脳内でのどのような神経回路の異常により病相の変化が起こっているのかを明らかにすることである。
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研究成果の概要 |
双極性障害患者33名、健常者45名から20Hz、30Hz、40Hz、80Hzクリック音刺激を呈示した際の脳波を取得した。そのうち、複数回の検査を施行出来た患者は4名 であった(3回検査出来た症例が2名、2回検査出来た症例が2名)。 横断的には、双極性障害患者では80Hz刺激に対するパワー(t=0.25, p=0.03)と80Hz及び40Hz刺激に対する位相同期性(t=2.0, p=0.05;t=2.9, p=0.006)が健常者 に比べて有意差に減少していた。 また、縦断的なデータがとれた患者において、40Hz刺激に対する位相同期性と躁症状評価尺度の間に正の相関がみられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の結果は40Hz及び80Hz刺激に対する位相同期性の障害が認められており、これは先行研究と合致した 知見であった。双極性障害は、極端な気分症状を繰り返す病態であり、その経過の中で聴性定常反応がどのように変化がみられるか、そしてそれが症状とどのような関連があるかについては知られていなかった。今回の研究では同一の患者で複数回の計測を行い、その結果、躁症状と40Hz刺 激に対する位相同期性が正の相関を持っていることが示唆された。このことは今後の双極性障害の研究を進めていく中で、病態解明に向けた大きな意義をもつと 考えられる。
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