研究課題/領域番号 |
19K08056
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
|
研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
吉村 匡史 関西医科大学, リハビリテーション学部, 教授 (10351553)
|
研究分担者 |
北浦 祐一 関西医科大学, 医学部, 講師 (10632804)
木下 利彦 関西医科大学, 医学部, 教授 (20186290)
砂田 尚孝 関西医科大学, 医学部, 非常勤講師 (30809398)
西田 圭一郎 関西医科大学, 医学部, 講師 (40567567)
池田 俊一郎 関西医科大学, 医学部, 講師 (40772231)
嶽北 佳輝 関西医科大学, 医学部, 准教授 (70548403)
新道 賢一 関西医科大学, 医学部, 助教 (80784561)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 経頭蓋直流電気刺激法(tDCS) / レビー小体型認知症(DLB) / アルツハイマー型認知症(AD) / 意欲低下(アパシー) / 認知症の行動・心理症状(BPSD) / 定量脳波 / LORETA / EEG microstate |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、レビー小体型認知症(DLB)患者、アルツハイマー型認知症(AD)患者への経頭蓋直流電気刺激(tDCS)の効果を、脳波を用いて評価することを目的とする。方法としては、まずDLB患者とAD患者の脳波をデータベース化し、脳内電気活動を3次元的(立体的)に描写するLORETA法と呼ばれる脳波解析手法を用いることで、両疾患の神経ネットワークと臨床症状との関係を明らかにする。そして、神経ネットワークの変化に応じて刺激部位を設定しつつtDCSを施行する。我々は、本研究が、介護上大きな問題となる認知症の行動・心理症状(BPSD)に対する治療手法開発の一助となることを目指している。
|
研究実績の概要 |
現在は、本研究で用いる手法である経頭蓋直流電気刺激法(tDCS)に関する当施設での先行研究データ(脳波データ、心理検査結果など)の解析を継続している。その一環として、共同研究者の西田圭一郎らと、経頭蓋直流電流刺激(tDCS)をマインドフルネス中に施行することによる抗不安効果と介入前の脳波との関連性を検証した。対象は健常者26名であった。対象が歩行マインドフルネス(歩きながら行う、一種の瞑想法)を経験している間、左背外側前頭前野に陽極によるtDCS刺激を行った。歩行マインドフルネスの前後に、不安の評価尺度であるSTAI-SAを用いて介入前後の不安状態の変化を評価した。また、tDCS刺激前の安静時脳波において、定量脳波解析法であるLORETA(low resolution brain electromagnetic tomography analysis)を用いてtheta、alpha帯域における16箇所の関心領域の電流密度を計算した。次いでLasso回帰を用いて、従属変数をSTAI-SAの変化量、独立変数を16箇所の関心領域の電流密度を投入し、因子を統計的に同定した。その結果、Lasso回帰にて、STAI- SAの変化量と左下側頭葉、右下頭頂葉の電流密度の間に有意な関連を認めた。これらの結果から、tDCSとマインドフルネスの組み合わせによる抗不安作用は、刺激部位のみと関係するものではなく、その他の脳部位との関係も大きいことが示唆された。また、本研究の対象である認知症疾患および臨床神経生理学などに関する研修や学会に参加して最新の知見を得るよう努めている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究は臨床研究法における特定臨床研究に該当することから、倫理審査申請に時間を要している。また、新型コロナウイルス感染症の流行に伴う受診患者数の減少も影響を及ぼしたと考えられる。
|
今後の研究の推進方策 |
倫理審査申請の準備を行いつつ、参加者のスクリーニングを継続する。また、認知症およびtDCSに関する最新の知見を常に更新しておくよう努める。現行の研究計画にて倫理審査申請が困難な場合は、既存の認知症疾患(レビー小体型認知症、アルツハイマー型認知症)の脳波データ解析など、研究計画の見直しも考慮する必要があると考えている。
|