研究課題/領域番号 |
19K08073
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
岡田 元宏 三重大学, 医学系研究科, 教授 (10281916)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 認知機能 / 情報伝達 / 神経 / グリア / 病態生理 / アストロサイト / 自閉症 / 情動安定化 / ADHD / てんかん / グルタミン酸 / 認知 / 三者間伝達 |
研究開始時の研究の概要 |
精神医学は、病態生理仮説に基づき、多くの精神障害に対し、神経伝達機能補正を介した治療法を構築し成果を上げてきた。従来の病態生理仮説では十分に対処できない亜型に対し、新たな介入方法を開発するために、神経伝達に分極グリア伝達機能変異を加えた、新たな三者間伝達仮説構築を試みる。 1)グリア伝達物質の開口分泌機構。2)抗精神病薬・抗うつ薬・抗てんかん薬のグリア伝達に対する作用解析。3)分極アストロサイトと炎症性サイトカインのグリア伝達に与える影響解析。4)中枢神経系ホメオスタシス制御を担う、イオンチャネルとトランスポーターのグリア伝達に与える影響の解析。
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研究成果の概要 |
内背側視床各群は、中脳のモノアミン投射を受け、各種知覚入力もしており、視床皮質路の入力効率の向上と、出力効率の向上のいずれかが、知覚統合と遂行機能改善に寄与しうる実験結果を得た。神経伝達はミリ秒単位、グリア伝達はミリ秒単位から数日単位の長期的伝達制御に大きな役割を果たしていた。アストロサイトに発現するコネキシンの形質膜上発現期間とほぼ同じ時間単位であった。コネキシンは、非選択的カチオンの細胞外連絡を担うヘミチャネル、細胞内環境を担うキャップジャンクションとして機能しており、形質膜発現量だけではその機能の詳細が解釈できず、その機能活性化機構の解析も、認知機能制御機構の解明に必要であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
認知機能の中で、知覚統合と遂行機能は少なくとも短期的機能制御機構は神経伝達が担っているが、これらの長期的な制御には、グリア伝達が制御を担っており、神経とグリアの情報伝達としてのtripartite synaptic transmissionが、認知機能制御に重要な役割を果たしている可能性を示すことが出来た。この知見は、従来の診断分類に従った病態解明研究ではなく、機能的な障害による障害分類に基づいた病態生理解析に有用性を示すものである。
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