研究課題/領域番号 |
19K08080
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 昭和薬科大学 |
研究代表者 |
松田 真悟 昭和薬科大学, 薬学部, 講師 (80723246)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | fear / fear extinction / sex differences / neuroimmune / 恐怖記憶 / 恐怖消去 / 性差 / PPARγ / 免疫システム |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らは、恐怖関連疾患の有病率が女性で高いことや思春期以降に増加することに着目し、雌マウスを中心とした2つの治療抵抗性動物実験モデルを開発した。本研究では、これら2つの治療抵抗性動物実験モデルを利用して得た治療薬候補の効果を検証するとともに、その薬物効果に中心的な役割を担う分子を特定し、治療抵抗性を凌駕する新規治療薬開発の基盤を構築することを目指す。 本研究の成果は、既報の治療標的分子とは全く異なる新たな標的分子の発見に結びつく可能性を持つだけでなく、精神科領域において性別を考慮した治療という新たな治療戦略の創出に繋がることが期待される。
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研究成果の概要 |
本研究は恐怖消去抵抗性を凌駕する新規治療薬開発の基盤を構築することを目的としている。成果として、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ(PPARγ)の作動薬であるロシグリタゾンが雌マウスの恐怖消去抵抗性を改善することや免疫抑制剤であるデキサメタゾン(DEX)が雌マウスの恐怖消去記憶を安定化させることを見出した。加えて、恐怖消去抵抗性が背側海馬内免疫活性に起因するという我々の仮説を支持する成果が得られた。さらに、恐怖消去に対して腹側海馬内TrkBが雌雄で真逆の役割を担う可能性が得られ、また、内在性CBである2-AGの恐怖記憶に対する役割にも性差があることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで、恐怖消去に対してPPARγの役割は調べられていなかった。本研究の成果は、恐怖消去に対するPPARγの役割に注目した研究の扉を開くものである。また、恐怖消去抵抗性が背側海馬内免疫活性に起因するという我々の仮説を支持する成果が得られた。この他にもTrkBやCBなど、恐怖記憶やその消去に性別依存的な役割を持つ分子を発見することが出来た。これらの成果は、将来的に心的外傷後ストレス障害などの恐怖関連疾患の病因解明と新規治療法の発見に繋がることが期待される。
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