研究課題/領域番号 |
19K08086
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
竹内 絵理 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 遺伝子疾患治療研究部, 科研費研究員 (70712777)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ω-3多価不飽和脂肪酸 / うつ様行動 / 情動行動 / 多価不飽和脂肪酸 / 抑うつ / 側坐核 |
研究開始時の研究の概要 |
多くの疫学調査から体内に摂取されたω-3多価不飽和脂肪酸はうつ病の症状を改善させることが示されているが、その作用メカニズムについては不明であった。申請者らはω-3多価不飽和脂肪酸を食摂取したマウスは抑うつ様行動が減少し、この減少には腹側被蓋野-側坐核ドパミン神経系が関与することを明らかにした。そこで本研究では、ω-3多価不飽和脂肪酸摂取により腹側被蓋野-側坐核ドパミン神経の活動を変化させる分子機構の同定および情動行動を変化させる神経機構について検討し、抑うつ様行動を減少させるメカニズムの解明を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、ω-3多価不飽和脂肪酸を食摂取したマウスのうつ様行動に及ぼす影響について検討した。コントロール餌を摂取したマウスと比較し、ω-3多価不飽和脂肪酸高含有餌(高ω-3餌)を摂取したマウスはうつ様行動が減少した。抗うつ様効果が現れるまでの摂餌期間には性差があった。高ω-3餌摂取することで、腹側被蓋野チロシン水酸化酵素陽性細胞の増加、側坐核におけるドパミン代謝回転亢進を伴い、D1あるいはD2ドパミン受容体ブロッカー側坐核内投与により抗うつ様行動は完全に消失した。これらの結果から、高ω-3餌摂取によるうつ様行動の減少には側坐核-腹側被蓋野ドパミン神経系が関与することが考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多くの疫学調査から、体内に摂取されたω-3多価不飽和脂肪酸はうつ病の症状を改善させることが示されているが、その作用メカニズムについては不明であった。本研究成果から、ω-3多価不飽和脂肪酸の摂取によるうつ様行動の減少には側坐核-腹側被蓋野ドパミン神経系が関与することが示唆された。本研究成果は、栄養摂取による新規治療法の開発にも繋がることが期待される。
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