研究課題/領域番号 |
19K08109
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
玉田 勉 川崎医科大学, 医学部, 教授 (40278932)
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研究分担者 |
宮地 禎幸 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00294463)
山本 亮 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (30319959)
鹿股 直樹 聖路加国際大学, 聖路加国際病院, 部長 (60263373)
曽根 照喜 川崎医科大学, 医学部, 教授 (90179383)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 前立腺癌 / 前立腺マルチパラメトリックMRI / 前立腺生検 / MRIガイド下生検 / 機械学習 / 拡散強調像 / PI-RADS / 悪性度 / MRI |
研究開始時の研究の概要 |
前立腺癌の腫瘍悪性度は、治療法の選択や予後に影響する。しかしながら、従来の経直腸超音波を用いた系統的前立腺生検による腫瘍悪性度の評価は、前立腺全摘術後の最終結果と比べて過小評価される傾向がある。 一方、前立腺癌の画像診断は、近年MRIの活用が飛躍的に進み、現在では悪性度の高い病変部位をMRIで推定することが可能となってきている。 そのような中で近年、MRIと経直腸超音波の融合画像をガイドにした前立腺標的生検法が開発された。そこで本研究では、我々の持つ前立腺MRIのノウハウとMRI‐経直腸超音波画像ガイド下前立腺標的生検を組み合わせ、治療前の前立腺癌の悪性度に対する高精度な評価法の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
MRI‐US融合画像ガイド下前立腺標的生検後に前立腺全摘術が施行された177症例を対象に解析を行った。生検における指標(標的生検のグリーソンスコア(GS)、系統的生検のGS)、臨床的な指標(年齢、PSA、PSA densityなど)およびMRIから得られる指標(被膜外浸潤の有無、PI-RADS version 2.1のT2強調像スコア、拡散強調像スコア、造影効果やみかけの拡散係数(ADC)など)を各症例から集めた。標的生検はADC mapを参考にして病変内の悪性度が高い部分から施行した。予後が異なる腫瘍悪性度、すなわちGS≦3+4とGS≧4+3の識別能を単変量解析で評価した。GSは前立腺全摘術のそれをゴールドスタンダードとした。その結果、標的生検のGSが最も識別能が高く(AUC=0.85)、従来の系統的生検(AUC=0.71)によりも有意に高かった(P=0.003)。単変量解析において標的生検のGSを含む識別能が高かった5つの指標を用いて機械学習(Python based Orange 3.36.2)を行った。機械学習は142症例においてtraining解析、35症例においてvalidation解析を行った。その結果、機械学習の解析に用いた3つのモデルの中の決定木の勾配ブースティングアルゴリズムであるLightGBM(Light Gradient Boosting Machine)において最も高い識別能を示し、AUCはtrainingで0.86、validationで0.84であった。症例数を増加した最終年度の解析で治療前の前立腺癌の悪性度の予測においては、ADC map を応用した今回のMRI‐US融合画像ガイド下前立腺標的生検単独の悪性度の識別能は、MRIや臨床から得られる指標加えた機械学習モデルを用いても凌駕することができない優れた診断法であると結論づけた。
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