研究課題/領域番号 |
19K08125
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
尾方 俊至 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90460576)
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研究分担者 |
山崎 秀哉 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50301263)
鈴木 弦 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80279182)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 陽子線治療 / 肝臓がん / 強度変調放射線治療 / 陽子線 / スキャニング / 肝細胞がん / 数値モデル |
研究開始時の研究の概要 |
最先端技術のスキャニング照射法を用いた陽子線治療において、治療方法選択の最適化を目指す。陽子線治療は、従来型のX線による放射線治療より高額となり、費用が利益に見合うか臨床的な優越性と経済的負担の双方型評価が必要である。具体的には、肝細胞がん患者症例で陽子線治療とX線治療の線量分布を比較し、NTCP(正常組織障害発生確率)およびマルコフモデル(費用対効果の数値モデル)を組み合わせ、有用性と問題点を定量的に評価する。複数の数値モデルを組み合わせた、最適な陽子線治療選択システムの嚆矢となる事を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、肝細胞がん患者症例において最先端技術のスキャニング照射法を用いた陽子線治療の線量分布の有用性と問題点を見出し、局所制御向上ならびに有害事象低減のための陽子線治療の質の向上に寄与できる定量的データを提供する。特に肝臓がんに対しては、肝臓自体の放射線耐容線量の低さや患者背景としての低肝機能(肝硬変等)から陽子線治療が期待される。さらに先端医療技術である陽子線治療をより安全かつ有効に用いることができるとともに、医療の質の向上や医療費無駄の削減を目指し、他の部位症例に対しても陽子線治療の選択判断の基準に結びつける。2022年度の本研究の目的は、 陽子線治療の費用対効果の評価を定量的に行い、陽子線治療がX線治療と比較して医療経済性評価の観点から優れているかを定量的に明らかにすることである。増分費用と増分効果の比較を行う増分費用効果比により、費用対効果分析の実施を試みた。先行する研究から生存期間、無増悪生存期間、治療費用、さらに肝機能障害などの有害事象やそれに伴う後治療の費用を算出し[Kawashima Mら、J Clin Oncol 2005、Bujold Aら、J Clin Oncol 2013に従う]、完全な健康状態を1、死亡を0とした病態のQOLを効用値として表わし、それに生存期間を掛け合わせて質調整生存年の算出を図った。さらに意思決定分析・決定木ソフトウエアであるTreeAge Proを用いてマルコフモデルを構築し、健康状態を無増悪状態(副作用なし)、無増悪状態(副作用あり)、増悪状態、死亡と分類してシュミレーションし、現在鋭意解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
モデルのパラメータ設定に時間を要したため
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今後の研究の推進方策 |
昨年度の研究進捗状況は上記の様に遅れていると判断している。しかしながら研究の遂行過程は当初の計画通りであり、計画の変更は予定していない。今後も、研究分担者と密に連絡を取り、それらが滞り無く進むことで計画の遅れを取り戻す予定である。 2023年度は、陽子線治療の費用対効果の評価として、マルコフモデルを用いた費用対効果分析により、陽子線治療がX線治療と比較して医療経済性評価の観点か ら優れているかを定量的に明らかにする予定である。
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