研究課題/領域番号 |
19K08127
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
有賀 久哲 岩手医科大学, 医学部, 教授 (30333818)
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研究分担者 |
菊池 光洋 岩手医科大学, 医学部, 特任講師 (90758137)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 膀胱癌 / 高齢者癌 / 化学放射線療法 / マイトマイシンC / ユーエフティ / 特定臨床研究 / マイトマイシンC / 高齢者膀胱癌 / 高齢者がん医療 / 膀胱温存療法 / 低侵襲治療 |
研究開始時の研究の概要 |
転移のない進行膀胱癌に対して,わが国で認められている治療(膀胱全摘術,シスプラチン併用放射線治療)は体の負担が大きく,脆弱な高齢者の多くへは実施できていない。膀胱癌患者の8割が70歳以上の高齢者となっている現在,高齢者治療の改善が重要である。欧米ではマイトマイシンC,フルオロウラシルというより副作用の少ない抗がん剤を併用した放射線治療が標準治療のひとつとされているが,我が国では薬が保険適応となっていない。本研究では,負担が大きな標準治療が実施できない高齢患者を対象に,副作用の少ない上記薬剤と放射線療法を組み合わせた治療を行う。日本人における安全性・有効性を検討し,適応拡大の根拠作りを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、高齢の筋層浸潤性膀胱癌患者における低侵襲な膀胱温存療法の安全性と有効性を調査することです。具体的には、膀胱癌の化学放射線療法において、シスプラチン不耐性の患者にも適用できるマイトマイシンCという薬剤について、まだ保健適応がされていない日本国内の臨床データを収集することを目指しています。しかし、マイトマイシンCは委託製造先の行政処分により2019年10月から自主回収が行われ、現在も供給再開の見通しが立っていません。そのため、この薬剤に関する特定臨床研究はまだ開始されていません。 一方、高齢者に多く見られる膀胱癌では、脆弱な患者の割合が高くなっており、低侵襲治療の重要性が増しています。研究協力者は日本臨床腫瘍研究グループの若手の会を通じて、泌尿器科腫瘍グループと共同で「vulnerable高齢者膀胱癌の治療に関する調査」を実施しました。この調査により、対症療法や内視鏡的切除などの非治癒的治療が医療現場で6割を占めることが明らかになり、また、短期間照射や週に1回の放射線治療など、新たな治療法の開発への要望も浮き彫りにされました。 また、研究協力者によるがん登録データの検討では、岩手県で膀胱癌の放射線治療が最も多く行われていることが明らかになりました。高齢化社会の高度進展が膀胱癌医療に影響を与えていると予測され、岩手県における膀胱癌の研究は、将来の高齢者医療全般に有益な情報を提供すると考えられます。本研究では、対象をマイトマイシンCのみに限定せず、高齢者膀胱癌治療についてより広い視点から検討を進めています。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本試験治療の主要な薬剤であるマイトマイシンCが、2019年10月に自主回収されたため、本研究は臨床研究審査委員会の審査申請前に一時停止されています。回収時には「2021年以降に供給再開する予定」と発表されましたが、2022年2月の報告では「まだ具体的な供給再開の時期が決まっていない」と述べられ、2022年10月の変更承認申請では、膀胱内投与に関する項目が削除されました。この状況は深刻であり、目処が立っていない状態と考えられます。 また、日本放射線腫瘍学会や日本臨床腫瘍研究グループ等における情報収集によれば、先進施設でも高齢者の膀胱癌治療はあまり積極的には行なわれておらず、新型コロナウイルス感染症の影響も強く受けて、大学病院の患者数に減少傾向がみられるようです。 高齢者膀胱癌の治療には多くの課題が存在するため、マイトマイシンCに限定せず、地域病院と連携して、研究を進める予定です。
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今後の研究の推進方策 |
マイトマイシンCの重要性を考慮すると、供給再開の期待を込めて特定の臨床研究の準備は継続します。しかし、高齢者膀胱癌は多くの課題を抱える疾患と認識しており、マイトマイシンCのみに限定せず、より広範なデータ収集と検討が重要と考えます。具体的な取り組みとして、拠点病院から地域病院への逆紹介されてしまう高齢者患者を、地域連携システムを利用して取り入れ(データベースは作成済み)、短期間照射や週1回照射など、高齢者の社会的および身体的ニーズに合わせた、地域病院でも実施可能な治療開発をテーマとします。さらに、マイトマイシンCの自主回収は予測不可能な事態でしたので、大学研究助成課と協力し、可能であれば研究期間の延長を検討したいと考えています。
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