研究課題
基盤研究(C)
神経細胞活動を非侵襲的に操作できる化学遺伝的技術の1つDREADDsは近年の遺伝子導入技術の発展とPETによる生体内発現タンパクのイメージングが可能になったことで今後の発展が期待されている。しかし今後も新しいDREADDsのウイルスベクターやアゴニストの開発は続くと予想され、研究に利用できる個体数が限られる非ヒト霊長類に適用するための条件検討は従来の方法では時間的・経済的コストが多大となる。そこでPET等イメージング技術を用いて目的導入タンパクの発現だけでなく操作された神経活動の変化を反映する機能的側面も定量的に評価することで、非ヒト霊長類への適用を効率的に最適化させる手法を確立することを目的とする。
近年の遺伝子導入技術の発展やPETによる導入遺伝子の脳内発現を生体内で可視化する技術によって、脳神経活動を操作できる化学遺伝的技術の1つであるDREADDsがげっ歯類だけでなく非ヒト霊長類にも応用され始めている。本研究では今後さらに新しいDREADDs関連技術(ウイルスベクターや作動薬等)の開発が続くと予想されることから、非ヒト霊長類への効率的な最適化法を確立することを目指した。その結果、PETはDREADDsの発現や脳神経活動操作を実験期間の任意のタイミングで定量的に評価できることが示唆され、非ヒト霊長類を用いた脳科学研究へ効率的に適用可能なことが考えられた。
精神・神経疾患は脳機能ネットワークの破綻によって引き起こされると考えられ、その基盤となる脳機能ネットワークの動作原理を知ることは極めて重要である。その研究手法の1つとして脳神経活動を操作できるDREADDsがあり、操作の可否を決めるDREADDsの発現をPETを用いることで生きたまま確認することができるようになったため、研究を効率的に進めることができる。また将来DREADDsを精神・神経疾患の遺伝子治療へ応用されることも期待されており、DREADDsの生体内イメージングは治療の成否や治療効果の評価にも応用が可能と考えられる。
すべて 2022 2021 2020 2019
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件) 産業財産権 (1件)
The Journal of Neuroscience
巻: 42 号: 12 ページ: 2552-2561
10.1523/jneurosci.1657-21.2021
Nature Neuroscience
巻: 23 号: 9 ページ: 1157-1167
10.1038/s41593-020-0661-3
bioRxiv
巻: - ページ: 1157-1167
10.1101/854513