研究課題/領域番号 |
19K08141
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
細川 洋一郎 弘前大学, 保健学研究科, 教授 (70173599)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | ヒアルロン酸 / 放射線治療 / 放射線抵抗性 / 癌幹細胞 / 4-メチルウンベリフェロン / 口腔癌 / 口腔扁平上皮癌 |
研究開始時の研究の概要 |
口腔癌の治療においては、本邦で行われている動注化学併用療法は極めて高い局所制御率を誇るが、癌転移が予後を不良にしており、特に遠隔転移の防止は治療成績向上に向けての喫緊の課題である。一方、癌細胞のヒアルロン酸産生が遠隔転移に関連していることが確かめられている。従って、ヒアルロン酸合成阻害剤と放射線の効果の基礎的機能解析を行い、作用機序を解明し、ヒアルロン酸合成阻害薬併用による新たな放射線治療の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
放射線治療時に発生する放射線抵抗性細胞を撲滅する試みとして、ヒアルロン酸合成阻害剤4-メチルウンベリフェロン (4-MU)の放射線併用効果について検討した。その結果4-MU投与によって細胞生存率や細胞遊走の抑制、癌幹細胞様表現型の抑制、酸化ストレスの増強が観察された。放射線抵抗性細胞で高発現が観察されたHAS3を標的として、siRNAによるノックダウンを行ったところ、細胞生存率の抑制と放射線増感効果の増強が観察された。これら結果から、HAS3が放射線抵抗性の重要因子であり、HAS3の直接的阻害あるいはヒアルロン酸合成阻害を介して放射線増感効果が増強されている可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
放射線治療は、近年の高精度照射技術の発展によって治療適応が拡大し、癌治療において重要な位置を占めている。しかし標準的放射線治療では癌細胞集団の一部が放射線抵抗性を獲得し、再発や遠隔転移を引き起こすことが問題視されている。放射線抵抗性細胞に有効な薬剤や治療戦略は未だ確立されていないため、放射線治療の予後改善のためにこの課題解決は急務である。ヒアルロン酸合成阻害剤として知られている4-メチルウンベリフェロンは、様々な癌細胞で抗腫瘍/転移効果を示すことが報告されている。そこで本研究では、放射線抵抗性腫瘍細胞株を使用し、4-メチルウンベリフェロンと放射線との併用効果を研究した。
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