研究課題/領域番号 |
19K08145
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
|
研究機関 | 埼玉医科大学 (2020-2022) 群馬大学 (2019) |
研究代表者 |
宮崎 将也 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (00546731)
|
研究分担者 |
中島 崇仁 筑波大学, 医学医療系, 教授 (70375559)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 凍結療法 / 光分子イメージング / インターベンショナルラジオロジー(IVR) / 癌治療 / 蛍光 / インターベンショナルラジオロジー (IVR) |
研究開始時の研究の概要 |
経皮的凍結療法は針先端にアイスボール(氷の玉)を作成しがん細胞を破壊するインターベンショナルラジオロジー (IVR)治療と呼ばれる低侵襲治療の一種です。現在は腎がんに対する凍結療法が保険診療で行えますが、今後さまざまながんへ治療適応が拡大していく可能性があります。しかし、凍結療法をどのように行えば再発を防止できるのかは不明な点が多く、研究が必要と考えられています。本研究では光分子イメージングと呼ばれる新しい画像診断法を用いて凍結療法における最適な治療方法を開発することを目的としています。
|
研究実績の概要 |
経皮的凍結療法は針先端に低温治療域を作成し腫瘍細胞を破壊するインターベンショナルラジオロジー治療である。凍結療法の再発因子に各腫瘍細胞における致死温度などが関与していると考えられるが、各癌腫における凍結療法の最適な治療プロトコールは確立していない。本研究ではルシフェラーゼ遺伝子導入された癌腫細胞を用いて光分子イメージングによる定量的評価を行い、凍結療法における最適な治療プロトコールを開発することを目的としている。 2021年度までにin vitro研究およびin vivo研究を行った。in vitro研究では、6癌腫のルシフェラーゼ遺伝子導入癌腫を培養プレートに播種し、各癌腫細胞毎に、-25℃、-45℃、-60℃、-80℃に設定した冷凍庫で凍結・解凍を1サイクルとして1-3サイクルの疑似凍結療法を行い、各疑似治療サイクル後に蛍光撮像装置を用いた光分子イメージングを行い、コントロールと比較し、-45℃では14回の疑似治療、-60 ℃では20回の疑似治療、-80℃では全ての疑似治療で有意な信号低下が得られた。in vivo研究では、9匹のヌードマウスの大腿部へルシフェラーゼ遺伝子導入肺癌細胞を皮下注入し担癌マウスを作成し、コントロール群と凍結療法群に分け、凍結療法群では皮膚病変治療用の凍結プローベを用いて1-3回の凍結療法を行った。治療後に光分子イメージングを撮像し経時的に治療効果を判定した。結果は、3回凍結治療群で治療域に信号集積が見られず、治療効果良好と考えられた。2022年度は、他の癌腫細胞を用いた担癌マウスの作成を試みたが実験に使用可能な同条件の担癌マウスを複数作成することに難渋し、またルシフェラーゼ導入癌腫細胞や疑似凍結療法用のガスボンベが枯渇したため、実験を再開するための整備を行った。同時にこれまでのin vitro, in vivo研究の論文化の準備に取り掛かった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度に一つの癌腫細胞を用いて動物実験を開始することができ、2022年度は他の癌腫細胞を用いた動物実験に移行する予定であったが、実験に使用可能な同条件の担癌マウスを複数作成することに難渋し、またルシフェラーゼ導入癌腫細胞や疑似凍結療法用のガスボンベが枯渇したため、思うような実験を遂行することができなかった。そのため、研究期間を延長し引き続き他の癌腫細胞を用いた動物実験を行う予定とした。
|
今後の研究の推進方策 |
2022年度に枯渇したルシフェラーゼ導入癌腫細胞や疑似凍結療法用のガスボンベを充足することができたため、2023年度は、各癌腫細胞を移植した担癌マウスを作成し、これに対して様々な条件の疑似凍結療法を実施し光分子イメージングによって腫瘍の活動性を評価すると同時に各マウスの生存期間も観察する動物実験を開始し、研究全体を推進させる方針である。また、同時にこれまでに行ったin vitro, in vivo実験の論文化にも取り掛かる予定である。
|