研究課題/領域番号 |
19K08146
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
善光 純子 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 特任研究員 (20710148)
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研究分担者 |
鈴木 絢子 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (00770348)
鈴木 穣 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (40323646)
坪井 康次 筑波大学, 医学医療系, 名誉教授 (90188615)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | アブスコパル効果 / 放射線治療 / オミクス解析 / 免疫応答スイッチ分子 / シングルセル解析 / 免疫応答 |
研究開始時の研究の概要 |
局所放射線照射によるアブスコパル効果は、放射線照射による腫瘍細胞の免疫原性細胞死とそれに引き続いて起こる抗原提示細胞の活性化と細胞傷害性T細胞の活性化によることが解明されつつある。一方、放射線治療後に腫瘍が再発する例では、再発腫瘍の増大は治療前よりも急速になり転移も起きやすくなることから、アブスコパル効果とは逆に全身的な免疫不全に陥っている可能性が高い。 本研究では、放射線照射後の免疫応答経路を選択するスイッチ分子とそのメカニズム解明のため、局所放射線照射後に腫瘍免疫応答が正と負に大きく異なるマウスモデルについて、次世代シークエンス技術を用いたオミクス解析を行う。
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研究成果の概要 |
担癌マウスに放射線または、放射線と抗PD-1抗体のコンビネーション治療を施し、経時的に採取した血液を用いて、シングルセルトランスクリプトーム解析とmiRNA解析を行った。いずれの治療でも治癒したマウスでは、細胞障害活性の高いCTLやNK細胞の増加が認められ、赤芽球クラスターが顕著に増加していた。一方、放射線治療のみで増悪したマウスではMDSCの増加が認められた。また、増悪したマウスでは、治療後にNK細胞クラスターが増加したものの、細胞障害活性の低い自然リンパ球の比率が高いことが明らかとなった。miRNA解析からは、いくつかのバイオマーカーとなりそうなmiRNAが確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
マウス実験により、放射線治療後に惹起される全身的な免疫応答は、照射野外にも影響を与え、腫瘍を縮小させるばかりでなく、逆に通常よりも急激に増悪させることがあることが明らかとなり、治療による免疫細胞の変化が推測された。実験的に腫瘍移植前から治療後までの免疫細胞の変化を同一マウスで解析することは困難であったが、今回、少量の血液からPBMCのscRNA-seqとmiRNAの解析を行った。放射線治療による腫瘍縮小群・増悪群の免疫細胞の経時変化が解析され、腫瘍縮小に寄与する免疫細胞の種類と影響を与える候補分子が明らかになってきた。今後は、さらに詳細な解析と候補分子の機能解析につなげていく予定である。
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