研究課題/領域番号 |
19K08151
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高橋 豊 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (40353461)
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研究分担者 |
小川 和彦 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (40253984)
小泉 雅彦 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90186594)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 温熱療法 / 放射線 / 腫瘍免疫 / アブスコパル効果 / ハイパーサーミア / 抗腫瘍免疫 / 免疫チェックポイント阻害剤 / X線 |
研究開始時の研究の概要 |
温熱療法は放射線や抗がん剤の効果増強効果があることが従前より知られえているが、最近、免疫賦活効果があることが明らかにされつつある。私たちは、近年注目されている、免疫チェックポイント阻害剤と温熱療法を併用することにより、両者の免疫の賦活効果が相まって、遠隔転移をも抑制できる可能性があると仮説を立てた。本研究は免疫チェックポイント阻害剤と温熱療法の併用効果を局所および遠隔転移に着目して研究する。また、放射線をさらに加えることによる局所及び遠隔巣に対する抗腫瘍効果をも研究し、そのメカニズムを解明する。
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研究成果の概要 |
がん治療において、遠隔転移を制御することは最大の課題である。従前より、放射線治療により、照射していない部位の腫瘍が縮小する、免疫介在性と考えられる「アブスコパル効果」が知られているが、極めて稀な事象であった。私たちは、X線より高い殺細胞効果を有する炭素線、温熱療法と免疫チェックポイント阻害剤の組み合わせにより、高い局所効果及びアブスコパル効果を得る方法を探索した。その結果、アブスコパル効果を得るために局所腫瘍根絶線量の投与が必要であること、難治性である膵管癌に対しても、炭素線はより低い線量で、X線でも温熱療法と併用すればより低い線量でもアブスコパル効果が得られる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がん治療において、遠隔転移を制御することは最大の課題である。従前より、放射線治療により、照射していない部位の腫瘍が縮小する、免疫介在性と考えられる「アブスコパル効果」が知られているが、極めて稀な事象であった。本研究では、膵管癌等で免疫チェックポイント阻害剤治療において、X線に温熱を加えること、又は炭素線ではより低い線量で腫瘍内免疫反応に変化が生じ、局所のみならず遠隔腫瘍の制御に貢献していることを示唆するデータが得られた。本研究で得られた知見は、有効な治療がない骨肉腫や膵管癌のような難治性腫瘍に対し、新たな治療の可能性を提案するものであり、今後の臨床試験に向けた橋渡しの一歩となると考えられる。
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