研究課題/領域番号 |
19K08157
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
有澤 哲 横浜市立大学, 医学部, 助教 (30508338)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | PET薬剤 / 放射性薬剤 / 合成有機化学 / 有機化学 / PET |
研究開始時の研究の概要 |
陽電子断層撮影(PET)は、陽電子放出核種(PET核種)により標識された薬剤を投与し、その薬剤分布を画像化する手法で、臨床診断、前臨床研究において、広く活用されるようになりつつある。PET薬剤に用いられる核種は、11C, 13N, 15O, 18F, などがあるが、中でも半減期が最も長く、有用性が高い核種が18Fである。18Fの標識合成方法は確立された手法が存在するが、申請者は既存の18F標識合成において、18Fを化学的に取り出すプロセスには改善の余地があると考えた。本研究は18F抽出の方法をあらためて検討し、無駄を削ぎ落とした高効率的な合成方法の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、放射性薬剤でよく用いられる放射性同位元素F-18の効率的な抽出方法の開発を目指した。現在のPET薬剤合成においては、F-18イオンは、サイクロトロンで製造されたF-18アニオンは陰イオン交換樹脂に保持し、それを炭酸カリウム水溶液等で溶出し、それを蒸発乾固してF-18標識合成反応に用いている。本研究では、このプロセスを見直し、余分な炭酸イオンを混入させることなく、[F-18]KFのみを得る手法を見出した。また、F-18標識反応の際によく用いられている クリプタンドK222が、本開発方法を用いる場合、不要になることも見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は、放射性薬剤の一種であるPET薬剤を、製造する際の工学的な研究である。PET薬剤の製造にあたっては、放射性同位元素の寿命が短い(数分~2時間程度)、化合物量が極めて微量、作業者の被爆を避けるなど、従来の化合物合成にはない制約条件が多くある。この中で、本研究は、PET薬剤合成工程の一番初めのサイクロトロンから[F-18]Fイオンを効率的に抽出する広く利用されている基盤技術を、再度見直し、よりブラッシュアップされた方法の開拓を目指した。その結果、余計な化合物を含まない[F-18]Fイオンを取り出すことに成功し、これを用いることで製造の際の不純物発生なども抑えられることが見いだされた。
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