研究課題/領域番号 |
19K08163
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 (2022) 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 (2019-2021) |
研究代表者 |
橋本 和幸 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 研究炉加速器技術部, 嘱託 (80414530)
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研究分担者 |
塚田 和明 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 先端基礎研究センター, 研究主席 (30343916)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | RI製造 / 加速器 / 中性子 / がん治療 / 量子ビーム / 分離化学 |
研究開始時の研究の概要 |
Sc-47は、がん細胞を死に至らしめるβ線と画像化に適したγ線を放出するため、その臨床応用が期待されている。そのため、原子炉熱中性子及び加速器による荷電粒子等を用いた製造手法の研究が行われてきたが、臨床応用に必要な品質を確保できていない、非常に高価な濃縮ターゲットを必要とするためコスト高になる等の問題点が存在する。そこで本研究課題では、従来、誰も検討してこなかった加速器で発生させる高速中性子(加速器中性子)を用いれば、臨床応用に応えられる量及び質を有するSc-47を製造できると考え、その生成量並びに純度評価を行うと共に、ターゲット物質からのSc-47高純度分離精製法の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
がん治療に有用なSc-47(スカンジウム-47)を重陽子加速器で発生させた高速中性子(加速器中性子)をチタンに照射して製造する新たな方法を開発した。①副生成核種(Sc-46, Sc-48等)の少ないSc-47を製造するための最適な重陽子エネルギーが20 MeV以下であることを明らかにした。 ②キレート樹脂固相抽出カラムを用いることにより、照射済みチタンから98%以上の回収率でSc-47を分離する基本的手法を確立した。③医学利用に有用な標識化合物(Sc-DOTA)を99%以上の高収率で合成する最適条件を決定し、本手法で得られたSc-47が高純度であることを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
放射性同位元素(RI)の製造は、これまで主に、原子炉熱中性子あるいは加速器荷電粒子を用いて検討されてきたが、本研究では、従来、誰も検討してこなかった加速器中性子を初めて利用して、がん治療用Sc-47の基盤的製造技術を確立した点に、学術的意義がある。加えて、RI内用療法をさらに発展させるためには、有用なRI薬剤の開発が必要であり、その開発に使用する半減期が数日程度の医療用RIは輸入が難しいため、国内での製造技術を確立することが必須であると考える。本研究は、国内でのRI製造技術基盤を広げ、RI薬剤の研究開発の活性化につながるものである。
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