研究課題/領域番号 |
19K08168
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
齋藤 正敏 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40241583)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | dual-energy CT / stopping power ratio / 粒子線治療 / 阻止能比 / デュアルエネルギーCT |
研究開始時の研究の概要 |
粒子線を利用するがん治療は、光子線治療よりもがん病巣部に集中して放射線を照射できる治療法として期待されている。しかし、従来のCT画像に基づく『CT値-阻止能比変換』の不確かさのため、特に高い精度を必要とするリスク臓器近傍の線量計算に支障をきたしていた。本研究の目的は、粒子線がん治療計画における線量計算の高精度化を可能とするデュアルエネルギーを用いた新しい『CT値-阻止能比変換』の開発である。本目的達成のため研究期間内に、臨床用デュアルエネルギーCT装置を用いた撮影を通して本手法の阻止能比(粒子の体内飛程)の計算精度を調べるとともに、本手法に最適な撮影条件や画像ノイズ低減アルゴリズムを検証する。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、粒子線がん治療計画における線量計算の高精度化を可能とするデュアルエネルギーを用いた新しい『CT値-阻止能比変換』の開発である。研究期間内において、デュアルエネルギーCT装置を用いた撮影を通して本手法の基本原理の妥当性を調べるとともに、本手法に適した画像ノイズ低減法を検証した。その結果、本手法により1%以下の精度で阻止能比を決定できることが明らかとなった。ただし、得られた阻止能比画像のノイズはCT画像と比較して2倍以上の増加が見込まれるが、エッジ保存ノイズ低減法を適用することにより、被写体内の微細構造の描写能を損なうことなく、画像ノイズを1/3以下に低減できることが判明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
デュアルエネルギーCT(2種類のX線管電圧)を使い、その“電子密度画像とCT画像の重み付きの引き算”という極めてシンプルな演算処理により「阻止能比」を計算でき得ることを世界に先駆けて見出した。本手法の最大のメリットはその「シンプルさ」にある。つまり、デュアルエネルギー CT装置を有する施設であれば、本手法を容易に実行可能となる。したがって、デュアルエネルギー CT装置が世界の医療施設に導入されつつある現状から、本手法が短期間で広く波及する可能性は十分高いと予想される。
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