研究課題/領域番号 |
19K08209
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
長尾 充展 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (60533081)
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研究分担者 |
布田 伸一 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (20172744)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 心臓移植 / MRI / 移植後冠動脈病変 / T1 mapping / 拡散強調 / 心筋マッピング / 冠動脈病変 / IVIM / 拡散強調画像 / PET / 心筋血流予備能 |
研究開始時の研究の概要 |
心臓移植は従来の治療法では救命できないような心不全患者の治療法として世界で実施されている。しかし慢性拒絶である移植心冠動脈病変が患者の長期予後改善の障壁となっている。移植心冠動脈病変はびまん性に冠動脈内膜が肥厚し内腔が狭小化する疾患であり、その原因は解明されていない。また中小動脈のびまん性病変のため、冠動脈造影ではその初期病変を捉えにくい。そのため半年~1年ごとに侵襲や危険を伴う冠動脈血管内エコーや心筋生検を実施しなければならない。本研究は、冠動脈血管内エコーや心筋生検にかわる移植心冠動脈病変を検出するための心臓MRIの拡散強調画像を応用した低侵襲画像診断法を開発することである。
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研究成果の概要 |
心臓移植後患者27人対して心臓MRIを施行した。心臓MRIは、心機能計測のためのシネ画像、心筋評価のためのT1, T2 mappingとIVIM拡散強調、冠動脈病変のためのMR angiographyを実施した。全例に対し侵襲的心筋生検を実施し、移植後冠動脈病変と拒絶反応について解析した。その結果、病理学的にリンパ細胞浸潤に関連するQuilty病変の証明された患者で、心筋T1値の有意な延長が見られた。Quilty病変は、拒絶反応発症の契機や移植後使用する免疫抑制剤による心筋障害との関連が報告されており、T1マッピングがこれらを検出するための非侵襲的で患者負担の少ない手段となることが期待できる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
心臓移植後患者には、一年毎のカテーテル検査による冠動脈造影と心筋生検を実施し、移植後冠動脈病変や拒絶反応を評価することが必要とされている。患者にとって大きな負担とリスクであった。心臓MRIでは、放射線被ばくや造影剤を使用せずに冠動脈病変と心筋性状を同時に評価できる。MRI心筋マッピング技術進歩は著しく、心筋の浮腫、炎症、線維化を定量化した多くの情報を得られる。それらを統合的に解析し、診断精度や予後を予測するradiomicsも進化している。生検による病理組織とT1, T2, IVIMを対比し関連性を明らかにすることは、心臓移植後患者の侵襲的検査の軽減や心筋生検の代替えとなることが期待される。
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