研究課題/領域番号 |
19K08210
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 福井工業大学 |
研究代表者 |
砂川 武義 福井工業大学, 工学部, 教授 (60329456)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 三次元ゲル線量計 / ラジオクロミックゲル線量計 / 放射線治療 / 医学物理学 / 放射線計測 / 放射線可視化技術 / PVA / KI / 化学線量計 / ゲル線量計 / 放射線化学 |
研究開始時の研究の概要 |
PVA-KIゲル線量計は、部分ケン化ポリビニルアルコール、ヨウ化カリウム、ホウ砂、果糖などの物質で構成される。本線量計は、X線、ガンマ線、陽子線、中性子線照射に対し、赤色に発色する特徴を持つ。さらに、本ゲル線量計を約45℃で5時間加温すると、放射線照射による発色が消え、再び線量計として再利用できる“再利用性”の特性を持つ。本研究は、現在化学反応メカニズムの詳細がわかっていない加温による再利用性に対して、ゲルの温度を精密に変化させ時間分解測定する手法を確立し、反応動力学的なアプローチを行うと共に果糖が本反応にどの様に係わるかを、FTIR、紫外可視分光、蛍光分光測定手法を用いて明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究室では,部分ケン化PVA水溶液にKIを添加し,ゲル化したPVA-KIゲル線量計を開発した.PVA-KIゲルは加温することで放射線により赤に呈色したものを再び透明化する事が可能な再利用性を持っている.本研究は,部分ケン化 PVAを用いてPVA-KIゲルを作製し,X線照射後 紫外・可視分光光度計にペルチェ温調システム 接続し, 照射試料を加温した状態で吸収スペクトルの時間変化 測定 及び 吸光度の時間分解測定を行った.本結果を用いて反応動力学的解析を行い PVA-KIゲル線量計の特徴である 放射線照射後赤色に呈色したゲル線量計を加温に透明化し再利用性を持たせる反応を解明した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
PVA-KIゲル線量計は,国産のゲル状化学線量計である.本線量計は医療用の放射線モニタとして現在,新規市場である1~100Gyの領域を測定可能とするものである.本線量計の最大の特徴は,放射線照射し赤に呈色したゲル線量計を加温することにより透明に戻し,再び放射線計測可能な再利用性を持つ点である.現在、再利用性を持つゲル線量計はPVA-KIゲル線量計が唯一である.本研究成果は,この再利用性の反応メカニズムを解明したことであり,本研究成果を基に,より完成度の高いゲル線量計開発の道を切り開いたと考える.
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