研究課題/領域番号 |
19K08215
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
平山 亮一 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 重粒子線治療研究部, 主幹研究員 (90435701)
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研究分担者 |
平野 祥之 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 准教授 (00423129)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 放射線 / 重粒子線 / DNA二本鎖切断 / 微小核形成 / 低酸素 / DSB(double-strand break) / DSB修復 / X線 / 酸素効果 / DNA損傷 / DNA損傷修復 / 微小核 |
研究開始時の研究の概要 |
がん組織には抗がん剤や放射線が効きにくいとされる低酸素領域が存在し、この低酸素がん細胞の根絶が、がん治療では重要となる。研究代表者は、低酸素がん細胞に対する放射線作用を調べ、放射線によるDNAへの直接的なエネルギー付与が細胞を致死へと誘導するのに重要であり、低酸素がん細胞においても有効な作用であることを示した。しかし、がん組織内の低酸素細胞は、放射線照射後も一定期間は低酸素状態にあり、放射線の影響が低酸素状態でどのような修飾を受けるのかは明確になっていない。本研究では、低酸素環境下での放射線に対する生物応答を明らかにするため、放射線誘発DNA損傷の修復過程における低酸素の影響を明らかにする。
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研究成果の概要 |
がん組織には抗がん剤や放射線が効きにくいとされる低酸素領域が存在し、この低酸素がん細胞の根絶が、放射線によるがん治療では重要となる。がん組織内の低酸素細胞は、放射線照射後も一定の期間は低酸素状態にあるため、放射線誘発DSB(double-strand break)が低酸素状態でどのような修飾を受けるのかは明確になっていない。本研究ではDSBと微小核形成頻度を調べ、DNAレベルと染色体レベルでの損傷修復過程における酸素/低酸素の影響を調べた。DSBは低酸素環境下で修復効率の低下が認められ、重粒子線誘発DSBであっても同様の傾向を示した。一方、微小核形成では修復時の酸素の影響は認められなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腫瘍の中には様々な酸素濃度の異なる細胞が存在し、放射線照射後も様々な酸素濃度の微小環境下で生物応答が行われている。しかし、このような状況を模擬した研究報告はほとんど無いため、放射線の照射前、中、後を低酸素状態に保つことで、実際の腫瘍内の微小環境の一部を模擬することが、重要と考えた。その結果、本研究からは放射線照射後の酸素濃度の違いが異なる生物応答を誘導することを発見した。放射線照射後の生物応答に酸素濃度が深く関わることは、分割照射の間隔や薬剤併用の投与タイミングを考える上で重要な知見と考え、放射線がん治療の高度化に有益な成果を提供したものと考えられる。
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